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世界はグラデーションでできている

そろそろ、グラデーションな世界の話をしたい。


この歳になって世界はグラデーションでできていることを実感している。

どういうことかというと、
「次の技術はコレだ!」とか「新しい時代の考え方はコレだ!」とか「○○なヒトは△△だ」とか「こういう職業のヒトはこういう考え方をする」とか今まであったものがこう変わっていく、こういうパターンはこうだ、というような説明がなされることが多いが、実際には世界はもっともっとグラデーションでできているのだ。

物事は段階的に、徐々に、少しずつ変化している。

例えば、電子マネー。
お店での支払いや個人間の送金がずいぶんラクになった。小銭やお札を出す機会が減ったし、各社のポイントも付与されおトクに買い物できている(気がする)。とはいえ、「これからは電子マネーでしょ!」と電子マネー一択にはなっていない。現金やクレジットカードもありつつ各社が整備する○○ペイが加わった状況で選択肢が増えている。今後も変化していくだろう。
そのウラにはお店にとっては様々な決済方法を整備する手間や手数料がかかっているし、お客さんにとってはお店によって使える決済方法がばらばらなので複数の決済方法を常に用意しておく必要がある。電子マネーに慣れきってしまい現金のみの店で現金を一円ももっていない状況が起きたこともある。いっそ日本銀行が発券する現金のみとしたほうが厳格かつシンプルでラクかもと感じたりもする。

例えば、電子書籍。
Amazonなどのネット通販の台頭でリアル書店が減少し、実際の本を手に取る機会がだんだん減ったように思う。同時に紙の本だけでなく電子書籍の普及も徐々に進んでいる気がする。
電子書籍を買うこともあるが、紙の本と併用した運用がなかなか難しく特定の参考書などしか買わないようにしている。できるだけ紙の本派である。一方で、持っている本をすべて自炊(裁断→スキャン→PDF化)して電子書籍のみとする猛者もいるだろう。あるいは昨今のICT教育を少し調べると生徒ひとりひとりにノートPCが支給され、キーボードに慣れるだけでなく指やタッチペンも組み合わせてタブレットで教科書を読み問題を解きチャットで共有みたいな勉強方法が普通の世界もあるらしい「本を読む、勉強する」という行為も全然シンプルじゃない。やり方が様々ある。

「そりゃそうだろ」と思う方もいるかもしれないが、
自分が気づいたこと見つけたことが本当にごく一部分の状況でしかない
という当たり前のことにこの歳になって腹落ち感がでてきた。

ミクロにひとつひとつをみていくとすさまじく多様化した社会。

「分かる」の語源は「分ける」というが、
分類して二項対立やカテゴリで整理していくと理解できた気になるのだが、本当は世界はもっともっとグラデーションでできている。

なにとぞ。

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