家でもできる!身体づくり〜筋肉とは〜

 外でのスポーツがなかなか難しい状況が続いています。家の中で効率的に身体を動かす事は、健康の維持・向上に繋がります。まずはトレーニングするうえで筋肉とはどんな組織なのかを見ていきましょう。

1.筋肉とは
 筋肉とは小さな細胞や細い線維がいくつも束ねられた組織であり、身体活動時に中心的役割を果たす。
 

1)形態による分類
 筋肉を顕微鏡で観た時に横縞状の模様が配置されている筋を①横紋筋という。骨格筋、心臓の筋肉がそれに当たる。模様が観られないものを②平滑筋といい内臓の筋肉や血管の筋肉がそれに当たる。

2)支配神経による分類
 自らの意思で動かせる筋肉を随意筋、自らの意思で動かせない筋肉を不随意筋という。骨格筋は随意筋、心筋、血管筋、内臓筋は不随意筋に分類される。

2.筋線維の収縮様式

①等尺性収縮
 等尺性収縮は、筋長を変えずに張力を発揮する様式である。筋を収縮しているにもかかわらず、静止した状態である事から静的収縮とも呼ばれる。この等尺性収縮の様式を利用したトレーニングを「アイソメトリックトレーニング」という。これは、ある一定の関節角度において等尺性収縮を行う方法でありリハビリテーションなどに効果的である。

②等張性収縮
  等張性収縮は筋長を短縮、伸張しながら収縮する様式。動的収縮ともよばれる。この収縮には、筋を短縮しながら力発揮する短縮性(求心性)筋収縮と、筋が引き伸ばされながらも力を発揮するような伸張性(遠心性)筋収縮に分けられる。等張性収縮は活動の主となる収縮様式であるため、活動中は最も利用される。

③等速性収縮
 等速性収縮は、筋が一定の速度を保って収縮する様式であり、実際の運動では見られない。

3.トレーニングの原則
①特異性の原則
 生体は課せられた刺激に応じた適応をする。競技特性により強化の必要な筋やプログラムは異なる。獲得したい効果を明確にしておかなければ効果が薄く、競技力向上に結び付かない事もある。

②過負荷(オーバーロード)の原則
 生体は、継続する刺激に対して対応する働きがある。日常生活の運動強度は最大筋力の30%程度と言われ、普段の生活のみではトレーニング効果は期待できない。トレーニング効果を獲得するためには、日常生活以上の負荷をかける必要があり、さらに高いパフォーマンスを求める競技者においてはさらなる負荷が必要である。

③漸進性の原則
 トレーニングの量や強度は、段階的に増加させる必要がある。それに伴う技術も簡単なものから難易度の高いものに徐々に移行することが重要である。

④意識性(自覚性)の原則
 トレーニング効果を効率的に獲得するためには、目的や方法を充分に理解して実施する必要がある。
 ・どの能力を強化しているものなのか。
 ・その能力強化により、専門競技の何に役立つのか。
 ・時期によるプログラムの変化。

⑤全面性の原則
 トレーニングは、部位や種目に偏ったものではなくバランスよく強化しなければならない。トレーニング初期には、あらゆる能力の全面的な開発が必要。

⑥個別性の原則
 トレーニングは、年齢・性差・体格・体力・技術レベル・経験等を考慮し、個々に合ったプログラムを作成しなければならない。

⑦継続性(反復性・可逆性)の原則
 トレーニングは、一時的に行うのではなく、計画的に継続・実施する。トレーニングによって得られた効果は、トレーニング終了後はトレーニング前の状態に向かって変化する。

4.超回復
 トレーニングのような刺激を身体に与えると一時的に疲労し体力水準は低下するが、適切な休息をとる事により以前の水準よりも回復する現象。一般的にトレーニングにより疲労した身体が回復する期間は24時間とされるが、種目や強度によって差が出る。

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