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カノッサの屈辱

 高校生だった頃の私のパワーワード。なんか忘れられない単語。
 ダン・ブラウンの『天使と悪魔(2000年)』『ダヴィンチ・コード(2003年)』、『ロスト・シンボル(2009年)』、ピーター・ジャクソンの『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ(2001年~)』、J・K・ローリングの『ハリー・ポッターシリーズ(1999年)』私の小・中学校時代はなんともファンタジーで、ミステリアスな書籍がたくさんありました。
 ハリー・ポッターシリーズなんて、お小遣いで活字の書籍を買って、夜遅くまで必死に読んでいたから、親がマンガじゃないもの読んでいるものだからびっくりして、次回作からは、買ってくれるようになりましたよ。2,000円くらいのお値段していたから、当時の年齢からしたら、かなりの高額商品。お小遣いを月刊誌につぎ込まず、活字ハードカバーを購入しているから、何があったのかと思ったのでしょう。その節はありがとうございました。
 活字の本が楽しくて、そのあとはJ・R・Rトールキンの『指輪物語』まで、読みました。日本語訳の風景描写とか比喩表現が美しいんだけど、装飾語が長くて長くて。今、劉慈欣の『三体』の長編SF小説を読みたいが、なかなか進まない…。

天使と悪魔

 話を戻して、小中学校からファンタジーで、ミステリアスなものにいろいろ触れてきたもので、外国に憧れを持つようになり、洋画にハマっていろんな映画を当時に見に行くようになっていました。当時の洋画は割りと歴史ものもあって、高校生の世界史の授業がとても好きでした。

TROY

 高校一年生の際の担任の先生が世界史担当ということもあったかもしれません。なぜか当時の世界史の先生は、若い女性の先生で。どちらの先生も本当に授業が楽しかった。
 1人の先生はNちゃん先生。美人で高身長で、旅行の話や恋人の話まで。世界地図を描くのが得意で、黒板にはいつも世界地図が広がっていた。高速板書でノート取るのは忙しかったけど、授業なのにタイムスリップして海外旅行しているみたいで楽しかった。(当時は飛行機にも乗ったことなくて、海外旅行なんて未知だったけど。)
 もう一人の先生は、T先生。かわいらしい先生で、声も高くて、高校生の私から見てもキャピキャピしてた。なんか生徒からはナメられてる感じだったけど、授業はまじめにやってたし、板書の字綺麗だったから、私は好きだったな。
 まぁ女性の綺麗な先生ってことで、逆に女子生徒からの嫉妬を呼んだのか、全然人気なかったんだけど(授業たぶん5人くらいしか聞いてないの)、私は本当に世界史の授業が好きだった。カタカナどんどん頭の中入ってきた 。
 世界史ハマったついでに、高校の倫理の授業、哲学と宗教学やってて、関連してそれも本当に楽しかった。(なんで、大学理系に進学したのか意味わからないくらい。)

 で、今日フラッと本屋さんにいったら、一度読んだら忘れない世界史の教科書っていう本が売ってて、買った。
 今、勉強中。とりあえず今、ヨーロッパ史は終わった。小説読んでみるみたいで楽しい。
 当時の高校生のノートあったら、なおよかったんだけど、さすがにない。N先生もT先生も、この本みたいに年号なんて教えなかった。物語みたいに話してくれた。

世界史の教科書

 「カノッサの屈辱
 聖職者の任命権をめぐって ローマ教皇 グレゴリウス7世 と対立していた ローマ皇帝の ハインリヒ4世 が、カノッサ城門にて雪が降るなか裸足のまま3日間、教皇による破門の解除を願って、赦しを乞い続けた事件。

 皇帝が教皇に跪くなんて、世界の理が逆転したような、自分は権力者だったはずなのに、屈辱そのもの。当時、なんか授業受けながら、私はなんかもう民になった気分で(いや、今も民なんだけどね。)絶対的存在と思っていた皇帝が、いつのまにか教皇に頭を下げる恐ろしさ、得体の知れない時代の流れが来たのかと、屈辱とともに、時代の風潮ってひたひたとやってきて、常識が非常識、非常識が常識になっていくんだな、味方と思っていた人が、明日には急に敵になっているのかと、結局、力をつけなければ生きていけないんだなぁって、しみじみ思った。

カノッサの屈辱

 その頃、そのほかにも宗教史も勉強していて、『出エジプト』をめぐる嬉しい出来事があった。
 旧約聖書に記載されるイスラエルの神話によると、古代のエジプトでイスラエル人が奴隷として扱われるのに耐えかねて全員でエジプトを脱出したこと指す。『出エジプト』の意味、"Exodus"。「 大量の人が(国を)出ていくこと 」という意味。
 私は、宇多田ヒカルの大ファン。宇多田ヒカルがUtada名義で『EXODUS』のアルバムを出した時、歌詞カードに注釈で、“※出エジプトの意”っていう文字を見かけた時、「授業まじめに受けてて良かった~」って心から思った(笑)。
 でもその後活動休止してしまって………ま、今は復帰されたので感謝しかないけど♡


We'll say goodbye to the world we know
This is our Exodus '04


世界に別れを告げる。『出エジプト』

EXODUS(日本)
EXODUS(海外)

 会社に出たら、基本的に屈辱的なことしかない。
(そんなことないけど、近年はそんな気分が多いなぁ。)
   私も『出エジプト』したい……
  (まあこの単語はそんな生半可なものではないし、国を捨てて途方もない放浪の旅に出るんだから生か死かなんだけど……)
 自分で考えて提案しても、仕事しても、うまくいくことなんて、本当に一握り。昨日の方針の180度違う上層部。スムーズに進むことなんて皆無。

    最近、よく聞く【リスキリング】。人財力や競争力強化のために成長し続けることの重要性。私自身も身に染みて感じるこの頃。
   大学選びや就職先選びを真剣に考えてやってきたけど、考えが至らなかった、及ばなかった、なんか、浅はかさのツケが来てるのだと思う。
 世界史じゃなくて、仕事に役立つ資格の勉強の方が優先なんだろうけど、それでも、自分の好きなこと、真剣に楽しく勉強するよ。韓国語の勉強も、そう。
 
 この世界の歴史が今日に続くように、私のひそかな日常がいつか、何かにつながればいい。

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