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夕日を見にきた

海に沈む夕日が見たくて
松江海岸にきた
松江といっても
島根の松江ではない
明石の松江だ

君とは
夢でも会えなくなった
夕日は
以前ほど好きではなくなった
追憶を捨てる場所を探しに
ここにきた

公園で歓声をあげていた子供たちが
親に呼ばれて
家に帰って行った
赤いタコの滑り台だけが
砂場に取り残され
最後の日ざしを浴びていた

夕日が海に近づくにつれて
空が赤くなり
水平線の向こうから
光の道が
海を渡って延びてきた
釣り人がふたり
突堤で糸を垂れていた

ハンバーガー店の窓ガラスに
夕焼けが映っていた
それはまるで
店の中から窓ガラス越しに
夕焼けを見ているような
錯覚を起こさせた

夕日が島影の向こうに沈むと
雲が残照に照らされ
イチゴジャムが塗られたようになり
空の色合いが
刻々と移ろっていった
生きるということは
君と会えなくなるということか

淡路島が
藍色の空の下で
休息していた
今ごろ
おのころ島では
イザナギとイザナミが
あま御柱みはしら
右に回るか左に回るか
悩んでいるだろう

また来るよ
夢では会えなくても

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