ジャズは人と年代で聴く
マイルスデイビスのマイファニーバレンタインを聴いて、アコースティックなマイルスにどハマりした僕はもう快進撃ですよ。
そこからまぁ聴くものは外さなかったですよね。
ここで気づいた重要なポイントはジャズは人と録音年で聴く、という事です。
そう、マイルスのオンザコーナーなどなどの失敗で70年代以降のアコースティックなジャズは死んでしまっているし、あったとしてもベースとかドラムの音がださいやつがあるのみと気づいたのです。
あとはジャズってみんなサイドマンやりながらリーダーやってるじゃん、ということで、マイルスのアルバムからハービーハンコック、60年代のですよ。そこにいった訳です。
そこで聴いたのがハービーハンコックの処女航海です。
いや、これ、、これよこれ。
今考えればどモードなんですけどね。
でも水墨画みたいな曖昧で不安定な色彩感覚の和音に、トニーウィリアムスの抑揚と抑制が混在したドラムでしょ。
ハバードの、リリカルすぎるトランペット、最高でしょ。
ちなみにここでもやっぱりジョージコールマンは全く刺さりません。
これが初ブルーノートレーベル体験でもあったわけです。
考えてみるとこのブルーノートとの出会いが、写真だったりタイポグラフィ、デザインへの興味に繋がり、今の仕事につながってるんですよ。
ともかく、ここから50〜60年台のジャズを人で掘り下げまくり、TSUTAYAで借りまくりの日々が始まりました。
マイルスでアコースティックジャズの聴き方が変わってしまった私には、もはやわけわからんかったパーカーのビバップサウンドも徐々に理解できてきて、まーパーカーやらモンクやらも大好きになっちゃったわけです。
そんでまぁ、またバークリー通ってる高校の先輩に国際電話して、ジャズってすごいっすねみたいな話をさせていただいたりしてですね。そしたらここでまた新たなジャズとの出会いになるんですよ。
90年台のストレートなジャズです。
まさにボストンに住んでた先輩は色々見聞きしてるわけです。
それでグレッグハッチンソンがいいとか、ルイスナッシュがいいとか、ブライアンブレイドだとか、クラレンスペンなんてちょっと話しかけるとめっちゃ色々教えてくれるんだぜ、日本人好きだから!とかね。
ベースだったらNYで1番なのはロドニーウィテカーだぜとかね。
全部メモってCD屋にいくんですよ。
で、グレッグハッチンソンとやらを聴いてみようと思って買ったのがジョシュアレッドマンのファーストだったんですよね。
え、こういうジャズ今でもやってる人いるの!
しかもなんか新しくなってるけど、ダサいフュージョンじゃない!ジャズライフにこんなの書いてないじゃん、嘘つきジャズライフ。ジャズライフ、ジャズのことを書かねーなら金返せ、って思ったんですよ。
まだウィントンマルサリスが何やったかなんて知らない時ですからね。
いや、こんな音楽というか、シーンがあるんじゃん。
ジャズライフ、あんなアホみたいにジャコとかメセニーのこと書いてたら、そら廃刊にもなるわ。ざまみ。
変なアウトラインとかのタブ譜とジャコのタブ譜しか載せないからよ。
とにかくジャズライフは金返して欲しい。いまでもいいから。
このジョシュアレッドマンの音楽との出会いも大きかったですね。そこから、ベニーグリーンとかロイハーグローブとかね。
もちろんウィントンも聴いて。まー憧れましたよね、、。あんまりにもジジくさくてかっこよかったですから。
あと当時ね、ドラムマガジンてので、大坂昌彦か描いてる白黒の1ページのコラムみたいなのがあったんですよね。
これが大変勉強になりました。
ジャズアップオールカマーズ?とかって名前だったかな。
いわゆるストレートなジャズについての知識はすごいあのコラムのおかげで増えましたよね。
今でも実家帰ったら切り取ってファイルしてたのあるんじゃないかな。
たしかある日突然、リニューアルしてフランクな文体になった瞬間、ダサい文章になって秒で打ち切りになっでましたけどね笑。
あれリニューアルした編集者はセンスないですよね。
大坂昌彦のビデオとかもよく見てたですよね。
かっこよかったですよ。なんか、ストレートなジャズなのにすごく現代的でね。ウィントン以降のジャズ!って感じで。
いま考えてみるとこれでテナー吹いてたのって、私が大尊敬するK師匠じゃなかったかしら。
※K師匠については別記事でちょっと書いてます。ジャズ仙人ですよ、仙人。
そんなわけでようやく僕はジャズのドツボにハマっていけたわけです。
つづく
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