カフェインで筋力が上がるぞ!というメタ分析

今回紹介する研究では、カフェイン摂取は、筋力を向上させる働きがある事が示唆されました。
サブグループ分析では、カフェインは上半身を有意に改善するが、下半身については改善しないことが示唆されました。

今回のソースはこちら


今回の実験では20件の研究、被験者合計294人を対象にしています。
被験者は男性が多く232人なのに対し女性が62人でした。
若干サンプルに偏りがありますねえ…。

カフェインの投与量はかなりバラつきがあったようです。
また投与方法も多様で、ゲルや、カプセル、液体を使用していたようです。

メタ分析の結果、最大筋力の測定において、プラセボとカフェインの試験間で有意差があることが示されました。

サブグループ分析では、カフェイン摂取により、上半身の筋力は有意に増加したが、下半身の筋力は増加しないことが示されました。下半身の大きな筋肉群は、腕のような小さな筋肉よりもカフェイン摂取による影響は大きいと予想されており、この結果は研究者らにとって予想外だったよう(筆者も同様)です。

そもそも、今回対象とした研究では、下半身の筋力は、レッグプレスとスクワットのみを評価したものでした。
研究者らはその点においてより多様な運動や被験者による追試を行うことで下半身への影響をより詳しく調べる事が出来るであろうと示唆しています。

注意点として研究者らが「カフェインのパフォーマンスに対する効果は、小から中程度であった」と評しています。

実際有意差があるとは言え筆者の感覚で言っても微妙な印象でした。
まあカフェインが運動、筋肉、体組成にポジティブな影響を与える研究は沢山あるので悲観する必要はないでしょう。

また、研究者らは「一部のスポーツでは、パフォーマンスのわずかな改善でも、競技成績の有意な差につながる可能性があることに留意することが重要である」とも評しています。この点も留意しておきたいですね。


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