【歩きながら眠る】週6日、定時出社と終電帰宅を2週間繰り返してみた。


この記事は10分もあれば最後まで読めるよ。


概要


それは10月の中旬くらいのことです。


ある日突然、ぼくのシックスセンスが告げてきました。


ほぼ間違いなく、案件がほぼ同じタイミングで炎上し、その後ほぼ同じタイミングで納期がやってくる


カレンダーでいえば、11月下旬くらいからでしょうか。ハッキリと覚えてはいませんが、間違いなく


「年末に、今年イチヤバいのが来る」


クラブのキャッチコピーみたいなデスマーチ確定演出が、僕に降りかかったのです。

そしてシックスセンスはこんなことも言っていました。



スケジューリングの都合上、回避するのは無理ですね。



この時の僕は、ひとつ重めの案件を終えたばっかなので、少しタカをくくっていました。

まあ徹夜一回しとけば、おっけーでしょ?また上司に感謝されて飯オゴってくれるパターンでしょ?みたいな。


そんな甘いものではありませんでした。徹夜すればオッケーとかめっちゃ甘かった。ハーゲンダッツココナッツ味よりも甘かった。


今回の火事は、派手さこそえげつないとは言えませんでしたが、とにかく長い。消えるまでに時間がかかるタイプだったのです。


ってことでデスマーチ備忘録です。小話程度に読めます。


終電帰宅がどれだけ危険な行為なのか?


平成が終わろうとしています。


30年という、中学校で勉強する歴史単位で見た時間ではとても短い時間だったように感じますが、主観で見ると、「激動」と言っても差し支えない30年だったように感じます。


そのなかで特に平成20年あたりから、世間の労働に関しての評価軸が大きく変わったように思います。


具体的には労働は耐え忍ぶもの、男が背負いこむものというようなものから、キャリアの自由選択、また、ハラスメントという言葉の台頭による労働者の権利の増加への変化ですね。


そしてその世論から「会社は一生いる場所ではない」「人間関係の構築もひとつの会社の責務」などと、会社の風潮は大きく変わっているように感じます。


特にここ最近。2、3年くらいでしょうか。「会社にいなくても稼ぐ」いわゆるブロガーやフリーランスが大きく世論を動かす存在となりつつあります。


僕も大学在学中に「卒業したらフリーになる!!」と息巻いていた人ですが、今の僕からすれば、実力・人脈・経験オール0がフリーになっても、生活保護を貰うほうがマシだと思います。マジで行動に移さないでよかったです。


話がそれすぎました。


とにかく、平成後期からブラック企業に対する風当たりは大きく強くなり、過労による自殺なども問題になりました。


そんななかで今回僕が行い続けた「終電帰宅」は、こんな内容です。


まず大前提として、おおよその会社員は9時に出社し、18時に退社します。
東京の終電は、自宅がどこかにもよりますが、おおよそ23時半から24時すぎくらいでしょう。


終電帰宅とは、退社時刻から終電までぎりぎりまで残業を行う行為です。


通常の労働時間が1日当たり8時間ですが、そこに18時から24時までの残業を足すと、14時間1.75倍)となります。

これを週6日続けると、8時間”だけ”きっちり務めて帰る人の10.5日分になるのです。

今回僕が選んだのは2週間コースだったので、おおよそ普通の人の22日分。1カ月くらい働いた算段になります。

2週間で1カ月分働くって、控えめに言ってしんどいです。


ちなみに、「終電帰宅」というキーワードでググると、僕と同じような境遇の人の文章が閲覧できます。その文章からは、慟哭を感じることができます。


体調の変化


まず、体重が2kg落ちました。ダイエットに成功だ!
ひとり残業ならこんな体重減はなかったと思います。

それでも僕がダイエットした理由をあげますと、非常に熱い、熱血漢であるパートナー(上司)が常に隣にいたことが挙げられます。

パートナーが僕にしてくれたことは非常に心打たれる内容で、


些細なことでオフィス外に呼び出し懇々懇々と説教を繰り返す

明確な指示も出さず「どうにかしといて」で仕事を投げ、自分はあっさりと帰る

ぼく「質問があるのですが」
パートナー「他の人に聞いたらどう?」
午後11時の出来事です。周りに他の人など誰ひとりいません

また、途中僕の心が折れてしまい、涙まみれでPCに向かってた時に、「俺が代わりにやってやるよ。1時間くらい外で休んどけ」と言ってくれたときには、本当に心からありがとうと思いました。帰ってきたら仕事は減ってなかったし、むしろ増えてたけど。しかもそれで責められたけど。


ともかく、この熱いパートナーのおかげで体重を落とすことに成功したのは明らかな事実です。パートナーに報告したら「どうでもいいことで話しかけないでくれる?」と喜んでくれるでしょう。


これに伴い、体脂肪率がボーダーすれすれの”標準”からボーダーすれすれの”標準”へ。
一歩間違えたら肥満認定になるところが、一歩間違えたら痩せ型に変わりました。


筋肉量は脂肪と比較すると落ちませんでしたが、それでも多少の影響は受けました。なにせ終電で帰るということは、どうしても運動の時間を減らすことになります。


精神的な変化


肉体的には多大なダメージを受け、草ひとつ生えぬ砂漠と化してしまったのですが、精神的なダメージはそれ以上でした。

やる気なんて起きないし、日を追うごとに目は暗くなり、ぼーっとしてしょうがない。1週間くらい続いて自己嫌悪になって、更にスパイラル。


ゆえに本能的に、そのストレスから逃避する手段を確立し、実行していきます。


まず、人付き合いが非常に多くなりました。特に、同じくシバき倒され…失礼いたしました、上司の寵愛をうけ残業をしている人とは、上司の話題で花が咲きました。

また、19歳の時にやめた喫煙を少しだけ再開しました。”ヤニケーション”というやつですね。


これに関してはほんとに緊急手段に近いもので、誰かと話さないと成仏するような精神状態になっていたのです。


会話の場を求めて、510円の、ヤニケーションチケットを購入しました。マルボロの黒いやつです。まあまあすっきりしました。


デスマーチが終わった今はすでにライターも所持していません。


あとはお酒の量が減りました。飲んでる時間などありません。


生活習慣の変化


「立ち寝」「歩き寝」という2つの技術を習得しました。

立ち寝は通勤電車の中で吊革につかまりながら目を閉じることで、瞑想のような効果を得られます。

また「歩き寝」は歩きながら目をつむり、仮眠のような効果を得ることができます。

休憩すらままならないときに使う技術ですね。


特に自分は家が駅から徒歩20分ということもあり、「立ち寝」と並行して使えば、通勤するだけで1時間半近い睡眠時間を確保することができます。

これがないと睡眠時間でかなり苦しむことになります。


その結果、副産物としてスマホの使用時間も大幅に減らすことができ、周囲からは「仕事中毒」の評価を得ることができました。不本意ながら。


日本、特に東京というのは非常に安全な都市として世界中に知られています。「立ち寝」「歩き寝」を使って人とぶつかってしまったとしても、むしろ向こうから謝ってくださることのほうが多いです。

これがフランスのパリだったりしたら、すぐに暴徒に金目の物を盗まれ、ボコボコにされてしまうことでしょう。


人とぶつかる度に、その平和をかみしめます。ただし電柱と当たった時は強烈に痛い。ほんっとに痛い。頭から打った時はほんとに痛い。


まとめ

・体重が落ちます。
・ストレス指数は大幅に増えます。
・人間関係の構築を半強制的に行えます。
・東京の平和を味わえます。
・睡眠時間を確保するためにありとあらゆる手段を講じるようになります。
・スマホ依存が解消されます。
・残業代がおいしいです。明日も頑張ります。


おわり。サポートしてくれると、残業の時におにぎりが食べれるようになります。

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