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高校の教育実習でのハラスメントについて、別のシナリオを考えてみる

高知県の高校での教育実習で、ハラスメントを受けて「教員になる夢を断たれた」大学生がいるというニュースを目にしました。

なんだか、悲しい想いや残念な想いばかりが残るニュースだったので、このニュースを、「共感性」を育てることに繋ぐことは出来ないかと、記事に書いてみることにしました。

共感性について考えた後に、どんな教育実習だったら良かったのだろうかと、別のシナリオを考えてみたいと思います。

共感性を持つとは、自分とは全く異なる立場にある人に共感出来ることで、メンタルヘルスサポートワーカーの仕事や被害者サポートのボランティアをしていた時には、人をサポートする際には、心から寄り添うことが出来る「empathy」が最も重要だと教えられました。

共感(きょうかん)、エンパシー(empathy)は、他者と喜怒哀楽の感情を共有することを指す。もしくはその感情のこと。例えば友人がつらい表情をしている時、相手が「つらい思いをしているのだ」ということが分かるだけでなく、自分もつらい感情を持つのがこれである。通常は、人間に本能的に備わっているものである。

共感 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E6%84%9F

ちなみに、この記事も含めた下記マガジンには、「ネット社会の中に、他人が持つ異違(いい)視点を受け入れることが出来る「共感性」を育てたいという想い」が込められています。


前置きが長くなりましたが、今回の高校での教育実習のケースから影響を受けた人たちについて考えてみると、

  • 教育実習生

  • 担当の指導教員

  • 管理職も含めた他の教職員

  • 生徒

  • 教育実習生のご家族

  • 担当の指導教員のご家族

  • 県教育委員会

といった人たちが思い浮かびます。

教育実習生の方の記者会見の一部が、ニュース報道に含まれていましたが、一年以上前の教育実習での辛さが、今も、まだ昨日のことのように残っていることが伺えました。
教員になる夢を叶えるための教育実習が、まったく違う結果に終わってしまった悲しみが、伝わってきます

担当の指導教員の方は、既に自己都合で退職されたとありました。

県教育委員会は、ハラスメントの再発防止に努めるということで、終わりとするニュース報道もありました。

こういったニュース報道を目にした時に、敵味方とか、善悪とか、自分はどちらのサイドにつくかといった視点ではなく、それぞれの立場に立って、それぞれの視点で、状況を考えてみるということこそが、「共感性」を育てるためには大切なことです。

例えば、ニュース報道の中にはまったく出てきませんが、このニュースを目にした生徒さんたちは、少なからず影響を受けたと思います。ニュース報道を見て、生徒さんたちがほんの少しでも自分たちを責めることがないようにと、願うばかりです。
自分がそのクラスの生徒だったら、その学校に通っていたらとか、自分の子供が通っていたら、自分の兄弟が通っていたら、自分の友達が通っていたらなどと、考えてみることも、「共感性」を育てることに繋がります。

指導教員の方は、指導に熱が入って、行き過ぎた言動になってしまったのかとか、今まで通りにしただけで、ハラスメントという意識が欠如していたのかとか、それとも、教育実習生とは全く関係ないところで、ストレス等を感じていて、そのストレスを、教育実習生に向けてしまったのかも知れないとか、いろいろと考えることができます。
結果的に、教員を辞められることになって、生活が一変されたのではないかと思います。

教育実習生の方のご家族も、指導教員のご家族も、今回の件をきっかけに、その後の生活が、いろいろと変わったのではないかと思います。

管理職も含めた他の教職員の方々も、何か出来たのではないかと、今になって、思い悩んでいらっしゃるかも知れません。

こういったニュースを目にした時に、それぞれの立場に立って考えた後は、どうすれば、違う結果になっていただろうかと、私は、別のシナリオを考えてみることにしています。

教育実習の後、自分自身の辛い思いと向き合い、ご家族に相談し、専門家のサポートも受けられた教育実習生の方には、時間が掛かるかも知れませんが、これから少しずつ、辛い経験をした教育実習の思い出と一緒に、新たな夢や目標に向かって、生きていく方法が見つかればいいなと思います。

では、一年以上経っても、思い出すだけで涙が出てくるほどの辛さを抱えることがないようなシナリオにするは、どんなことが考えられるでしょうか?

教育実習の前の準備段階で、行き過ぎた指導があった場合の対処法を、教育実習生一人ひとりが考えておくとか、
教育実習中は、担当の指導教員だけでなく、より教育実習を充実したものにする為に、他の教員にも相談できるようなサポート体制を受け入れ学校側で準備しておくとか、
教育実習中に、大学の担当教授に相談出来る体制を準備しておくとか、
教育実習中のタスクの中に、実際に教員として働き始めた時にも予想できる仕事上のストレスやハラスメント等の対策として、守秘義務を守りつつ、相談したり、息抜きをしたりする家族や友人のサポート体制の確立のようなことを含めるとか、

教育実習が終わった後ではなく、教育実習期間中の対応の仕方で、行き過ぎた指導があったとしても、まったく別の結果に結びついたかも知れません。

指導教員に行き過ぎた指導があった時には、他の教職員が介入して、「それはハラスメントですよ」とか、「指導に熱心なのはいいですが、もっと違う言い方があるんじゃないですか」といった声掛けをしたり、教育実習生の話を聞く機会を持ったり、「大丈夫?」と、その場、または、その直後にでも、一声掛けてあげる第三者がいるだけで、随分と状況は変わるものです。

「いや、ちょっと言い過ぎた、悪かった」といった言葉が、その後に指導教官からあって、評価の内容についても、きちんとした説明があれば、教育実習生が受けた印象も違ったかも知れません。
また、教育実習生には、評価に不満があった場合は、指導教員だけでなく、他の教員や校長その他に、再考を依頼することができるようなアピール制度も、あった方がいいかも知れません。

実は、今回の件に登場してくる人たちの中に、とんでもなく悪い人は、誰一人としていないのかも知れません。
それなのに、すべての人にとって、後味の悪い結果になっているような気がします。

学校や職場での多くのいじめやハラスメントがそうであるように、当事者というより、周りにいた第三者の中の誰かが、ほんの少し、違うアクションを取っていたら、全然違う結果になったのではないかと思えてしかたがありません。

自分だったらどうしただろうと、登場人物それぞれの立場に立って、共感性を持つことで、当事者も第三者も解決や予防へ向けてのアクションを起こし易くなり、良い方向へと、何かが変わっていけばいいなと思います。


以下、参考にしたニュース記事や動画です。


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