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日本11年目の中国人でも難解な日本語は?

妻は中国で20年、日本で11年暮らしていて、日本語能力検定N1を取得済み(幅広い場面で使われる日本語を理解できる水準)。実際日常会話の意思疎通は全く問題く、不動産の交渉など専門的な内容でもしっかりついていけます。私の中国語水準より遥かに上で、一生かけて勉強しても追いつくか?というぐらいハイレベルなので妻の努力量は本当にリスペクトしています。

一方、そんな妻でもたまに違和感のある日本語を使用することがあります。

「っ」の発音が苦手

例えば「くすぐったい」という言葉を発すると「くすぐたい」みたいに聞こえるんです。中国語の標準語では確かに小さい「つ」の発音がないなぁということと、別の中国人の方が言っていたのは、中国人はせっかちな人が多いので「っ」みたいに一旦タメる発音が苦手なんだそう。妻も「ッ」のように読まない音がたくさん出てくるカタカナ言葉はさらに読みづらいとのことでした。

「ん」の使い方が難しい

妻との会話やチャットで一番よく見るのが「思うだよね」「あるだっけ?」みたいなパターン。「思うだよね」「あるだっけ?」のが抜けていることが多いのです。文法的な難しい話はおいといて、これも「っ」と同じようにすっ飛ばした方が言いやすいのでしょうか。

続いて日本語のフレーズの読みやすさというよりは、日本語の会話そのもので妻が難しいと感じている点を聞きました。

中国に存在しない敬語

これは中国人だけでなく多くの外国人が苦労する点かと思いますが、日本語の敬語の多彩さは世界一ではないでしょうか笑

一応中国語にもあなた「你」の敬語で「您」、御社や貴社を表す「贵公司」、英語のpleaseを差す「请」といった言葉はありますが、敬語らしい敬語と言えばそれぐらい。

日本語の場合はさらに尊敬語、謙譲語、丁寧語にわかれて「先生がおっしゃるように」「お料理、ご祝儀」、さらには「ですます調」とシーンによって複雑な使い分けが必要であり、日本人ですら完璧に使いこなせている人は少ないでしょう。中国語だと一言で済む表現があれやこれやで変化していくのがなんともまどろっこしい!とのこと。

本題に入る前の挨拶言葉

「いつもお世話になっております」「先日はありがとうございました。さて…」「秋も深まって参りましたが」みたいな本題に入る前の挨拶言葉を考えるのが一番大変だと言っていました。ぶっちゃけ妻のビジネスメールの冒頭挨拶部分だけ私が手伝ったりもしています笑

ちなみに私も日中貿易会社に勤めていた際には中国の取引先のお客さんへのビジネスメールで「经常承蒙您的关照(いつもお世話になっております)」という言葉をメールの冒頭につけていたのですが、お客さんから、丁寧にありがとう!でも今後はつけなくていいよ!と言われたことがあります。
一般的には「なんとかさんニーハオ!」の後、すぐ「关于什么什么的事情(〇〇の件について)」と2行目に即本題に入ります。

あとは中国人とビジネスのやり取りをする際には、李さんであれば小李(「李ちゃん」的な親しみのある表現)を使ったり、李社長であれば直訳すると李总经理ですが、李总と省略したり、とにかくやりとりがフランクかつシンプル。

私もこうした経験を通して日本語って大変だなぁ〜と感じたのを覚えています。その複雑さが日本語の奥ゆかしさで魅力でもあるのですが…

皆さんは日本語と中国語や英語、どちらが楽だと思いますか?


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