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中国は老人だらけ?守備範囲が広過ぎて戸惑う中国語”老”について

先日、妻の実家(中国人家族)で食事した際に、おばさんから「你的老丈人怎么样?」と聞かれ、一瞬脳内に?マークが・・老丈人=妻の父・養父を指す言葉。つまり「義理のお父さんはどう?」と聞いていたのです。

日本語における「老」という漢字には、年老いた人や歳を重ねたモノといった意味しかないと思いますが、中国語辞典で「老」を調べると・・
・老いている
・(機械などの)古いもの
・(野菜などの)盛りを過ぎたもの
・元々の姿
・いつもの
・色が暗い・濃いもの
・固いもの
・男性
・兄弟間の長幼の順(老二、老三みたいな言い方)
・末っ子
・ベテラン
などなど、動詞、形容詞、副詞その他あらゆるジャンルで活躍するマルチプレイヤー

例えば日常生活でよく使うフレーズだと
・老师:先生
・老虎/老鼠:トラ/ネズミ
・老手:熟練者
・老实:正直な
・老抽:たまり醤油
みたいな感じで、全く異なるニュアンスの言葉がいくらでもあります。

特に混乱するのが、家族にまつわる言葉でも「老」がつくものは非常に多く、年上・年下・ただの愛称などニュアンスもバラバラ
・老婆:妻
・老公:夫
・老妈:大きくなった子供が呼ぶ母
・老爸:大きくなった子供が呼ぶ父
・老妈子/老母:(地方による方言で)お母さん
・老爹/老豆:(地方による方言で)お父さん
・老爷:母方のおじいさん
・老姨娘:末っ子のおばさん
・老姨夫:末っ子のおじさん
おそらくこれらは氷山の一角で「老」を使った親族の呼び名はまだまだあります。

中国に行ったばかりの頃、人に指摘されて誤りに気づいたのは「老子」という言葉。
私的には中国春秋時代の哲学者の「老子」を指して話したんですが、相手の中国人から「そんな言い方するもんじゃないよ」と言われて、実は発音声調を私が間違えており「老子(lao3zi)」というと「ワイは・・俺様は・・」みたいなニュアンス。「老子(lao2zi)」と発音すると哲学者の老子の意味になります。

皆さんも、中国語の老獪な「老」トラップにはまらないようお気をつけください。

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