城下町巡り
小田原。
戦国時代に後北条氏の城下町として栄えた小田原。
しかし、現在では国際的な観光地で日本でも有数の温泉スポットである箱根や熱海、伊豆が控えているので、地味で目立たない存在の街になってしまった。
小田原と言えばお城と蒲鉾のイメージしかない人も多いと思う。
一度自分の誕生日に小田原駅前のホテルに泊まったことがあったけど、ロマンスカーの旅がしたかったのが理由で、特に小田原に行きたかったわけではなかった。
あとは、箱根や伊豆の行き帰りにちょっと立ち寄ったり通過するだけ。
神奈川県内は観光スポットの宝庫だから、余計に地味キャラ、陰キャな街である。
(小田原市民の皆様すみません)
準地元民の友人シエンさんに誘われて11月4日に日帰りで小田原の街を歩いてみた。
所要があり小田原に行くのでついでにカフェ巡りなどしようとのお誘いを断る理由はなかった。
お誘いを受けて自分なりにチェックして気に入ったカフェ2軒はシエンさんもお薦めのお店だった。
あたしの目のつけどころもなかなかシャープでしょ。
駅前のおしゃれ横丁にシエンさんの目的地があったので、用事が済むまで近辺の写真を撮りながら待つ。
ここは誕生日に泊まったホテルがあるエリアで、その時も雰囲気の良さにいいなぁと思ったけど、やっぱり好きな場所だ。
そこからお堀端通りを歩いて南に向かう。
最初のカフェは"cafe mint cocoa"で、あたしも目をつけたお店だ。
愛車がダイハツのココアだから余計に気になった。
シエンさんもそう思ったらしくリストに入れてくれたのだった。
松原神社の境内の下にあるカフェ。
何を言ってるか分からないと思うけど、写真を見てもらえば言ってる意味は分かってもらえると思う。
不思議な造りだ。
そして名前に違わず可愛い。
おばんざいランチをいただく。
どれもこれも美味しい。
いろいろなお惣菜をちょっとずつ食べられるが嬉しい。
お汁の具のつみれが生姜が効いていて身体が温まる。
食後にほうじ茶。
シエンさんも同じオーダーだ。
ご馳走さまして次に向かったのは西海子小路。
その途中、国道に面したこだわりの本のセレクトショップの"南十字"に立ち寄る。
カフェスペースでコーヒーも飲めるオシャレな本屋だ。
カルチャー系の本や絵本を中心としたセレクトで、数はそんなに多くないけど、普通の本屋では置いてないような本が並んでいる。
あたしは"反「女性差別カルチャー」読本"と言うZINEを購入。
"西海子小路"は"さいかちこうじ"と読む。
"さいか"までは理解できるけど"ち"はどこから来た(笑)
かつて武家屋敷が並んでいたエリアなので、大きなお屋敷が多い。
もっときちんと街並保存していれば立派な観光資源と歴史的価値があるのにもったいない。
"旧松本剛吉別邸"の庭園で写真を撮る。
秋の風情に満ちた庭と趣のある建物が素敵だった。
大きな石の上に誰かが置いた毬栗と栗が絶好の被写体になってくれた。
近くの小田原文学館(旧田中光顕伯爵別邸)の庭園をちょっと見てから、かまぼこ通りに入る。
小田原名物のかまぼこ屋が点在する通りだ。
途中でちょっと逸れて日常雑貨など上質な商品を扱う"Sent"でシエンさんがお買い物。
最近移転したばかりだそうで、ここも素敵なお店だった。
小田原侮り難し。
かまぼこ屋には寄らずにひたすら歩いて辿り着いたのは"純喫茶途上園"。
ここもシエンさんお気に入りのお店。
二重の扉を開けるとそこはアンティークと時計が満ち溢れる異次元空間だった。
時計が所狭しと空間を占めているのは西荻の"物豆奇"に通じるものがある。
針の示す時間がまちまちなのも共通だ。
"チョコレー時計器"セット"にアールグレイをいただく。
ネーミングセンスが素晴らしい!
ダジャレと言えばダジャレだけど、時計愛を感じる。
器もそう。
これはオーダーメイドだろうか。
どうやら気まぐれ営業らしく、今日やっていたのは運が良かった。
そう言えば旧いカメラも棚いっぱいに飾られていたなぁ。
使えないジャンク品でいいからちょっと集めたくなった。
今のデジタル一眼のデザインは馴染めない。
旧いフィルムカメラの佇まいが好き。
写真撮るならスペックじゃなくてデザインで選びたい。
それぞれのカフェでお喋りに花を咲かせてしまったので、2軒しか回れなかった。
でも、素敵なカフェでシエンさんと過ごせて小田原まで来て良かった。
小田原への往復は久しぶりにロマンスカーに乗った。
やはり普通の急行電車よりテンションが上がる。
一日ではとても周り切れない魅力に溢れた城下町小田原。
またゆっくりカフェ巡りと街歩き写真を撮りに来よう。
行きたい場所がまたひとつ増えた。
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