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JASTPROは貿易円滑化促進を目的とした一般財団法人です。日本の貿易手続の書式標準化…

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JASTPROは貿易円滑化促進を目的とした一般財団法人です。日本の貿易手続の書式標準化や、電子化におけるEDIFACT/ebXMLの普及に貢献してきました。国連CEFACT日本事務局として調査研究・広報活動を行っており、note.comでは月刊誌の記事をリライトしてお届けします。

マガジン

  • JASTPRO DXの道

    当協会で取り組んでいるデジタルトランスフォーメーション(DX)に関するよもやま話をお届けします。時代遅れでアナログな環境を乗り越えるための七転八倒、七転び八起きの様子をお楽しみください。

最近の記事

DXの道 第11話「ノーコード推進協会」

【初出:月刊JASTPRO 2022年12月号(第523号)】 ここまで、JASTPROコード管理システム刷新や事務所業務デジタル化に向けたノーコード活用についてご紹介して参りました。今回は少し視点を外に向け、当協会が先日入会したノーコード推進協会について、第1回総会の内容も含めご報告いたします。 ノーコード推進協会とは2022年9月に「ノーコード推進協会(NoCode Promotion Assciation=NCPA」が発足しました。当協会は早速入会を申請し、10月に

    • 「国連CEFACT勧告」とは?-「第41号 貿易円滑化における官民パートナーシップ」から考える-

      【初出:月刊JASTPRO 2022年10月号(第521号)】 これまで、国連CEFACTに関する入門記事と、CEFACTウェブサイトに掲載されたニュースに関するピックアップ解説を掲載してまいりました。今回は少し趣向を変えて国連CEFACTによる成果物の肝ともいえる「勧告(Recommendation)」について取り上げ、紹介していきたいと思います。 ※なお、勧告には日本語公式訳が存在していませんので、本文において勧告文中の用語を日本語化している箇所は仮訳となることをご了承

      • DXの道 第10話「事務所内DXチャレンジ(番外編)」

        【初出:月刊JASTPRO 2022年10月号(第521号)】 今回は、前後編でご紹介してきた事務所内DXチャレンジの番外編です。ここまで、ずいぶん「ノーコード/ローコードプラットフォーム推し」の内容で展開してきました。しかし、それだけで「ウチのDX(デジタル変革)は大丈夫」というわけではない・・・という点について、少しだけ補足しておきたいと思います。 餅は餅屋察しの良い方であれば「ああそういうことね」となりそうな、出落ちっぽい見出しをつけてしまいました。つまり、バックオ

        • CEFACTニュースピックアップ(3):非常事態が及ぼす国際貿易への影響とCEFACTの取り組み

          【初出:月刊JASTPRO 2022年9月号(第520号)】 新型コロナウィルス(COVID-19)が蔓延してから早3年が経ちました。各国政府によるパンデミック対策、つまりロックダウンや渡航規制、飲食店への休業要請などの措置の影響もあり、世界経済は2020年以降減速し、「ウィズコロナ」という考え方により世界経済は少しずつ回復してきたものの、今度はウクライナ戦争が勃発し、経済成長に深刻な打撃を与えました。 この状況において、国連CEFACTとその上位組織である国連ECEは

        DXの道 第11話「ノーコード推進協会」

        • 「国連CEFACT勧告」とは?-「第41号 貿易円滑化における官民パートナーシップ」から考える-

        • DXの道 第10話「事務所内DXチャレンジ(番外編)」

        • CEFACTニュースピックアップ(3):非常事態が及ぼす国際貿易への影響とCEFACTの取り組み

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        • JASTPRO DXの道
          11本

        記事

          DXの道 第9話「事務所内DXチャレンジ(後編)」

          【初出:月刊JASTPRO 2022年9月号(第520号)】 前回に続き、当協会事務所におけるDXチャレンジをご紹介していきます。目指すのは、書類電子化の仕組みづくりやデータの活用を通じた業務変革。そのために、システム連携が容易なプラットフォームを採用して変化に強いシステムを自分たちで作る。これを羅針盤として、まずは「システム間連携が出来る」「ノーコード/ローコードプラットフォーム」を選定し、導入にこぎつけました。 まずは自分の仕事から最初に取り組んだのは筆者自身が担当す

          DXの道 第9話「事務所内DXチャレンジ(後編)」

          CEFACTニュースピックアップ(2) ―国連新プロジェクト 貿易費用削減と競争力強化のためブロックチェーンを活用―

          今回は、ブロックチェーン技術に関する記事を取り上げます。国連CEFACTとその上位組織である国連ECEは、貿易業界におけるブロックチェーンの応用によって得られる恩恵や、一方で環境整備が不足した場合に運用が上手くいかなくなるであろうことをよく意識しています。そこで、こういった環境整備や運用に伴う課題を克服し、ブロックチェーンがもたらす恩恵を享受するため、ECEとCEFACTは他の国連組織と手を組んで、パイロット国として選ばれた5か国における様々な領域での取り組みを強化します。

          CEFACTニュースピックアップ(2) ―国連新プロジェクト 貿易費用削減と競争力強化のためブロックチェーンを活用―

          JASTPRO DXの道 第8話「事務所内DXチャレンジ(前編)」

          【初出:月刊JASTPRO 2022年8月号(第519号)】 羅針盤ここまで3回、当協会DXの本丸と位置付けていたコード管理システム刷新について紹介してきました。今回からは、その本丸を支える裏方、当協会事務所におけるDXへの具体的な取り組みについて触れていきます。 まず本連載の第4話を振り返ってみますと、本年度のチャレンジとして「事務局内部においては、徹底した電子化を推し進めていきます」と決意表明がされておりました。その具体的手法としては、以下のように書かれています。

          JASTPRO DXの道 第8話「事務所内DXチャレンジ(前編)」

          JASTPRO DXの道 第7話「コード管理システム刷新プロジェクト(3)百里を行く者は九十を半ばとす」

          【初出:月刊JASTPRO 2022年7月号(第518号)】 年が明け2022年。本プロジェクトも要件定義→プログラミング→テストという過程をどうにかこなしてきました。ここからは、プログラミングやテストだけではない、リリースに向けて怒涛のように押し寄せてきたタスクを紹介しつつ、リリースまでの足跡を振り返ってみます。 ユーザー受入試験まずは、当協会コード部職員によるユーザー受入試験の実施です。この試験は、ここまで行ってきたシステム観点からの仕様確認・不具合検出のためのテスト

          JASTPRO DXの道 第7話「コード管理システム刷新プロジェクト(3)百里を行く者は九十を半ばとす」

          CEFACTニュースピックアップ(1) ―UNECE、仙台防災フレームワークの加速化のため 政策と越境協力の強化を呼びかけ―

          この「CEFACTニュースピックアップ」は、これまで不定期に掲載してきた「注目すべき国連CEFACTプレス発表」を引き継ぎ、国連CEFACTのウェブサイトに掲載された最新の動向から興味深いトピックをピックアップし、その内容や背景・専門用語・周辺情報などの解説を付け加えてお届けしていきます。 最初となる今回は、国連CEFACTの母体であるUNECEが取り組んでいる第7回「防災グローバルプラットフォーム会合(Global Platform for Disaster Risk R

          CEFACTニュースピックアップ(1) ―UNECE、仙台防災フレームワークの加速化のため 政策と越境協力の強化を呼びかけ―

          JASTPRO DXの道 第6話「コード管理システム刷新プロジェクト(2)艱難汝を玉にす」

          【初出:月刊JASTPRO 2022年6月号(第517号)】 前号で紹介した通り、このまま進めたら炎上必至のコード管理システム刷新プロジェクト。通常のシステム開発であれば、状況を把握した時点でプロジェクト責任者や組織のトップに中止を進言していたところです。 しかしながら、プロジェクトの発端であるシステム刷新の動機、つまり「これまでの問題を解決し、かつコスト削減と柔軟性の強化」自体に罪はありません。それどころか、JASTPROコードの未来を考えれば、絶対に避けては通れない道

          JASTPRO DXの道 第6話「コード管理システム刷新プロジェクト(2)艱難汝を玉にす」

          JASTPRO DXの道 第5話「コード管理システム刷新プロジェクト(1)理想と現実」

          【初出:月刊JASTPRO 2022年5月号(第516号)】 ※今回(第5話)より、本連載「DXの道」は、執筆者が当協会庶務室長からCIOに代わっております。 これまで、当協会におけるDX(デジタル変革)に関する考え方や具体的な取組みについて、主にバックオフィスに関わる業務改善を中心にいくつか紹介してきました。ここからは、何回かに分けて当協会DXの本丸と位置づけているJASTPROコード(日本輸出入者標準コード)管理システムの刷新プロジェクトを取り上げ、その七転八倒ぶりを

          JASTPRO DXの道 第5話「コード管理システム刷新プロジェクト(1)理想と現実」

          COVID-19パンデミックを機に貿易デジタル化が加速

          【初出:月刊JASTPRO 2022年2/3月合併号(第514号)】 COVID-19パンデミックにより、国際貿易やサプライチェーンにおけるデジタル化の重要性が再認識され、2021年を対象とした貿易円滑化協定(TFA)に基づく調査報告書にあるように進捗が加速している状況や、UNECEや国連CEFACTを中心に進められてきた更なるデジタル化のための標準整備等の成果が見えてきました。それらのNewsについて以下にまとめました。 <News 1> 「ニューノーマル」 への適応

          COVID-19パンデミックを機に貿易デジタル化が加速

          環境・社会・ガバナンスのトレーサビリティの専門家チーム始動

          【初出:月刊JASTPRO 2021年12月号(第512号)】 本年の第27回総会の議題10. 持続可能な漁業/持続可能なバリューチェーンに関する専門家チームが、環境・社会・ガバナンスのトレーサビリティに関する活動を開始した旨のNewsがありました。 News内容に加え、第27回総会に提出された文書や第1回セッション議事等から、この活動の背景や経緯、活動概要、作業計画などについて補足します。 <<News>> UNECE ESGトレーサビリティ専門家チームを立ち上げるU

          環境・社会・ガバナンスのトレーサビリティの専門家チーム始動

          衣料・履物分野における持続可能なバリューチェーンのトレーサビリティと透明性の向上活動 その後

          【初出:月刊JASTPRO 2021年11月号(第511号)】 本年の国連CEFACT総会において、最も強調された勧告No.46「衣料・履物分野における持続可能なバリューチェーンのトレーサビリティと透明性の向上」及び行動要請に関連し、その後の動きについてUNECE 国連CEFACTの興味深いNewsが2つありましたので、以下に紹介します。 The Sustainability Pledge is gathering momentum with commitments fr

          衣料・履物分野における持続可能なバリューチェーンのトレーサビリティと透明性の向上活動 その後

          JASTPRO&SIPS合同セミナー「日本発国際標準の現状と展望」報告

          【初出:月刊JASTPRO 2021年11月号(第511号)】 第二次大戦後、欧州で始まった貿易手続簡易化活動が、我が国でも本格的に始められたのが1971年。今年で50周年を迎えました。 貿易手続簡易化活動は貿易手続や書式の標準化から始まり、貿易手続の電子化の進展に伴い、データの項目や形式の標準化へとその活動は発展し、現在も、その対象を拡大し活動は続いています。一方、国際標準を制することは、我が国企業が貿易活動を円滑に進める上で重要であり、我が国の経済発展に寄与するもので

          JASTPRO&SIPS合同セミナー「日本発国際標準の現状と展望」報告

          国連CEFACT日本委員会 2021年度総会を終えて

          【初出:月刊JASTPRO 2021年8月号(第508号)】 国連CEFACT日本委員会の2021年度の委員会活動として、2021年度第一回運営委員会を7月1日、総会(第33回)を7月29日にオンライン会議にて開催しました。議事の要旨を説明すると共に、この機会に、日本委員会組織について紹介します。 1. 国連CEFACT日本委員会について<設立経緯> EDIFACT前夜 国際貿易関係手続簡易化運動は、国連欧州経済委員会(UNECE)を中心に進められ、日本に

          国連CEFACT日本委員会 2021年度総会を終えて