アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜


本当に大好きな映画です。でも、ただの恋愛映画ではございません。

時間を過去に遡るタイムトラベルの能力を持つ主人公ティム。そんな彼が何度も何度も過去をやり直していく。あらためて「いま」を生きることの大切さを教えてくれる禅的な作品

リチャード・カーティス監督の最後の映画ということもあってメッセージ性の強い作品なんですけど、そこはやはりイギリス人気質なのかユーモアを忘れないところが素晴らしい

人は過去にとらわれたり、未来を心配したり、いまを生きることを忘れてしまっている。ぼくは「一日一生」という言葉が好きだ。一日の中に人生があり、朝起きることは誕生すること、夜眠ることは死ぬこと。死んだつもりになって眠ったことはありますか?いまを生きるということは、一日の中に生と死を取り入れることだとぼくは思ってます

幸せとは何かを成し遂げたり何かを手に入れることではなく、すでにある幸せに気づくことなのではないでしょうか

人は配られたカードで勝負するしかないと言ったのはスヌーピーですが、無いものねだりは確実に人を不幸にします。一人一人が自分に備わっているものを磨いていけば、世の中はもっと美しくなるのではないでしょうか。「足るを知る」とは良く言ったものです

この映画に出てくる人達はみんな普通の人です。普通の人に光が当たって、普通の人がもっと幸せになってもいい。天才や成功者じゃなくたって最高に幸せになれる!という、リチャード監督の強い意志が伝わってきます

主人公ティムのお父さんにもタイムトラベルの能力があるのですが、お父さんは読書ばかりしてるんですよ 笑。でも、わかる気がします。過去に好きなだけ戻れても、きっとそのうち飽きてしまってやる事が無くなって暇になってしまうだろうから(悪いことはできないし)

もしも、あと一日で世界が終わってしまうとしたらあなたは何がしたいですか?この映画にはそう問いかけられているような気がします。音楽も素晴らしいのでサントラもオススメ。ぼくの人生で間違いなくベスト3に入る映画です

もしかしたら、ぼくたちはみんな人生をやり直すために未来からタイムトラベルしてきたのかもしれない。このかけがえのない「いま」という時、この瞬間を味わうために何度でも、何度でも…。





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