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「永遠に溶けない雪だるま」

雪は白い魔法使い、見慣れた景色を夢へと変える
アイスクリームは魔法使い、一瞬で目が丸く輝く

少年の頃の僕達は

夢中で雪だるまを作り、声が枯れるまで笑い合った
真っ赤な頬をアイスクリームが大きくふくらませた
僕たちの笑顔は雪よりも太陽にキラキラ輝いていた

手袋を外した手のひらに舞い落ちる雪が
消えるのを見ながら僕達は気づいていた

楽しい冬休みはいつか終わるし
夢見る頃を過ぎれば、楽しいだけじゃいられないことを

いつからだろうか?この手に掴める、形有る物にだけ
価値を見い出す様になったのは…

直ぐに消えてしまうのに、夢中で雪だるまを作っていたあの頃は
余力など残さずに全力の限り未熟だった

きっと誰しもが心の中に完成することのない雪だるまと
溶ける事のないアイスクリームを持っている

春になり雪が溶けるまで歩き出さないのかい?
イヤイヤ、いま直ぐに冬のドアを開けようよ!

外に出て冷たい風の中、永遠に未完成の雪だるまを
全力で作ってみないか?

きっとあの頃の様に、アイスクリームは目を丸くするほど
美味しく思えるはずだよ!


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