「火の鳥がやって来た!」
夕暮れ時の散歩道、火の鳥が飛んできました
燃えている翼の羽が周りの雲を燃やしながら
飛んで来たのです
耳をつんざく羽音!暖かく心地良い熱風
いままで暗い曇り空だったのが辺り一面
パーッ!と明るくなりました
空から舞い落ちる火の粉の雨は赤く、そして金色に輝いていますが不思議なことにまったく熱くはありません
火の鳥は話しかけてきました
「お~い!俺から見たら人間の命なんて短いもんさ!あっという間に消えてっちまう」
「だからよぅ!人間たちの味わう楽しんだり、悲しんだりする出来事はなぁ、俺から見るとよぅ全部が全部、愛しく見えてしょうがねえんだよう!」
「どれひとつ取ったってよぅ、お前らが涙したり喜んだりした出来事だろぅ?俺はよぅ、お前ぇらのことが愛おしくってしょうがねぇんよぅ!」
「失敗したって、うまく行かなくたって、友達がいなくても、好きな人が誰も居なくたって、俺はそんなお前ぇが大好きなんだよぅ!」
火の鳥は私を見つめ熱いシャワーのような涙を流しながら
「俺はよぅお前ぇのことをよぅ、ずっと見てっからよぅ!気付かれねぇように見てっからよぅ!今日はごめんな、気付かれちまったようだけどなぁ…ワッハハ~!」
私もつられてワッハッハ〜と大声で笑いながら帰りました
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