見出し画像

企画にはセンスが必要。10数年前の言葉を振り返る(阿部)2023/06/30

「企画にはねぇ、センスが必要なんだよ」

大学時代に展覧会やイベントをキュレートするある教授の言葉だった。
そのときは「ふーん」と軽く聞いていた気がする。

当時は「まあ、確かにそうだよな。人が集まるような面白い企画を考えるには、世の中を見て心動かされるように何かを掴み取る“センス”が欠かせないよなー」と思い、納得していた。

10年以上前の言葉で、そんなに深く考えていたわけではないが、妙に心に残っていて、ときどき思いだしていた。
最近になってこの言葉の解像度が少しあがったので、忘れずに書いておこう。

一言に「企画」といっても様々ある。雑誌や広告の企画、Webサイトの企画、美術展示やイベントの企画、はたまた友人との週末の企画など。
「企画する」といったときに共通するのは、どれもが人を惹きつけ吸引し段取り、計画立て、実行するためのものである。

企画には人を惹きつけるもの、興味を引かせる作用が必要である。
世の中の人や周辺の人、企画に関与する人を巻き込み、面白いと思ってもらう企画を生み出すには、これらのオーディエンスに企画を通してどういう問いを投げかけるかが重要なのではないか。

問いは疑問系でなくても構わない。この企画を通じて一緒に何かを考え、実行し、達成する。それによって社会や個人に何かしらの種が蒔かれる。オーディエンスはそれを自覚していようが、無自覚でいようが、良質な問いに誘われて吸引されていく。

しかし、面白がれる良質な問いは、ロジカルな積み上げでは到達できないと思っている。ロジカルジャンプが必要で、この問いを考えたら面白がれるのではないかという期待が生まれるフィクションの力が必要だ。
そして、このフィクションを創造できる力にこそセンスが問われるのだ。

世の中の情報をキャッチして、いろんな角度で物事を見て、つなげ、組み替える。そして、その結果にとらわれずに自由にジャンプする。

しなやかな思考がセンスとなって、面白い企画を生む。

大学では「センスは磨ける」ということも学んだ。
良い企画者になりたいと思っている。センスを磨いていきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?