応援演説に来たる

選挙が近くなると駅前などで名の知れた政治家が演説に来る。家の近くにはには「……駅に○○党首来たる」などと書かれた立て看板が立っている。党首以外にも、たくさん来て選挙戦を盛り上げて欲しい。

『駅前に小粋なフランス人来たる』
「これが本場の小粋さか」、「はるばる東洋まで」。初めて見る小粋なフランス人に驚く人々。フランス人は漢字で書くと仏蘭西人。略して『仏人』と書くに相応しい小粋さだ。

『駅前にやけにでかい犬来たる』
「ええっ、本当にこれが犬なの」、「なんと立派な」。やけにでかい犬への惜しみない賛美の声が駅前に響く。

『駅前に見知らぬおばちゃん来たる』
「ええっ、この人知らないよ」、「なんと立派な」。いや、街で目にするおばちゃんは、殆どが見知らぬおばちゃんだ。騙されてはいけない。

『駅前に庄屋のバカ息子来たる』
「昔話に出てきた気がする」、「なんという愚かしさ」。予想外に盛り上がる人々。

『駅前におしゃれなぬらりひょん来たる』
「ああっ、妖怪。でもおしゃれだ」、「小ずるそうだ」。怖い物見たさで駅前に集まった人々の歓声が上がる。

マニフェストやらとは別な視点で争われる選挙。やけにでかい犬やぬらりひょんで決まる選挙戦があってもいいと思う。

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