経営学習研究所

経営学習研究所、さあこれからどうする

昨日は野口先生が主催する新たな企画、両立支援をテーマにしたオープンサロンに参加させていただきました。知っている顔もかなりありましたが、実に新鮮な場でした。個人的にいろいろとよき学びがありました。また、別の機会に少し書きたいと思います。で、今日は学びについて少しまた考えたいと思います。

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MALL(Management Learning Laboratory:経営学習研究所:モール)にようこそ!

MALLは、2011年に産声をあげた、「これからの人材開発・人材育成を面白くする」べく設立された非営利の一般社団法人です。「組織」「学習」「デザイン」の3つの交差する学際的領域に魅了され、志を同じくする大学の研究者、実務家が、既存の団体からの寄附・支援もうけず、全くの「手弁当」で資金を出し合い、この団体を立ち上げました。

独立性・自律性を確保したうえで、それぞれの多様な専門性や経験にねざした、様々なイベント・企画を実施し、世の中に提案していく。この「自律性」や「多様性」こそが、MALLを設立した理事らに共有されている考え方です。

MALLが大切にしている運営理念には「1人1ラボ(ひとり・ひとラボ)」というものがあります。

「1人1ラボ」とは、「これから働く大人は、組織の枠にとらわれず、自分の探究課題を1つもつべきである」という考え方を体現している理念です。MALLの理事ひとりひとりが、自らの探究課題に応じたラボをもち、ラボに名前をつけ、独自の活動を展開しています。

理事の中には、「音楽と人材育成」の怪しい関係に興味をもつ人もいます。働く女性を応援するイベントを展開する理事もいます。さまざまな方法で会社を飛び出す若手を支える理事もいます。多文化社会に生きる私たちの心や行動を理解するための「文化」や「ことば」の働きや奥深さに関心を持つ理事もいます。
私たちの仲間には、「スポーツ/健康」と「学び」の交差するところに、未来をみる人もいます。建築のバックグラウンドをもちながらも、「場のデザイン」という考え方を探究している仲間もいます。そして、世の中を支配している学習観に異を唱え、「学びとはいえない学び」の現象をエスノグラフィーしている仲間もいるのです。
そして、そんな理事たちの企画を支え、堅牢なロジスティクスを実現してくれる心強い人もいます。

時に「猥褻かつ猥雑」だと感じられてしまうほどの、この「多様で自律的な活動」。そして、「1人1ラボ」の理念にもかかわらず、「協調」しあうときは「協働」できる環境こそが、MALLの強みです。

私たちには「夢」があります。
それは、私たちの団体名に、少しひっかけた「夢」です。

私たちの夢は、私たちの活動を通して、「自ら学びたいと願う人が、学びを深める現場」「変わりたいと願う人々が変わることのできる現場」のクオリティを向上させることです。そうした現場のフロントラインにたつ人々に「勇気」を与え、「元気」にすることです。

それはもしかすると、「ゴールが見えない活動」なのかもしれません。「ゴールが見えない活動」は一般社会・企業組織では「リスクが高い」と忌避される傾向があるのかもしれませんが、これを読んでいるあなたも、わたしたちの「ご縁」に加わってみませんか?
ゴールが見えなく、リスクがあるから「面白い」のです。

私たちは「何」も持っていません。「自前の電話」も持っていなければ、「自前のデスク」も持ちません。しかし、こうしたMALLの理念や志に共鳴してくださる方との「ご縁づくり」を、私たちは持ちたいと願い、また大切にしていきたいと考えています。

これからの世界には、「理念」や「志」や「ご縁」からつくりだされる新しい価値もある・・・わたしたちの考え方は、こうです。

日本の「組織 × 学び × デザイン」を面白くしたい!
否、面白くするのです。

経営学習研究所、MALLをどうか応援よろしく御願いいたします!

理事全員の思いを代表して

経営学習研究所  代表理事 中原 淳

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2011年に経営学習研究所を立ち上げたときのリリース文です。あれから、8年がたちました。初回のワークショップでのイーゼルトーク、今でも深く記憶しています。いろいろな意味での高揚感がありました。新しいことに取り組んでいるという実感に溢れていました。

以降、経営学習研究所では、毎年様々なイベントを開催してきました。その内容はホームページからご確認ください。理事・監事・研究員は素晴らしい仲間です。でも、ここ数年、ちょっとマンネリ化してるなという実感があります。イベントはきちんと集客できています。それなりのクオリティも担保できています。でも、新しいことをやっているというよりも、老舗の安定感的なものを提供してしまってはいないかという感じがあります。クオリティは担保しているとはいえ、初期に比べれば「雑」になってしまっていないか。腰をきちんと入れなくてもできてしまうので、ライブだ現場だという言葉に甘えて、仕込みが緩くその場の即興力に頼りすぎていないか。そんな思いがいろいろと出できました。

今週の木曜日に経営学習研究所の理事会がありました。新春ということもあり、これからの経営学習研究所をどうしたいのかを皆で話し合いました。極端な話、嵐も活動休止するんだらか、Mallも活動休止するかといったことも含めて、私たちが活動をする意義であるとか、目的であるとかに立ち帰っていろいろと考えました。考える中で、このような検討をしているということは、私たちが当初掲げた理念が少しずつ実現されている社会に近づいてきているからではないかという気もしてきました。いい意味でMallが陳腐化するのは、社会が変ってきている証ではないか。8年前に比べて、世の中はかなり学びの場に満ちてきています。様々な方がいろいろな取り組みを進めています。これは素晴らしいことです。であれば、私たちはもう一歩、先に行かなければ活動する意義がないのかもしれません。で、先とは何か。

議論の中で、活動の方向性として3つの事業案が出しました。

 1.次の世代にノウハウをわたす事業

 2.Targetは同じで、とがらせる事業

 3.Targetをズラして、今のことを繰り返す

1.次の世代にノウハウをわたす事業」というのは、これまでもMallで意識してきたことです。すべての大規模イベントで学生スタッフに参画してもらい、場づくりを体感してもらいました。「アトリエ・モール」「HR-Mall- Place」といった若手の場づくりをするメンバーに機会を提供する企画もやってきました。この事業はこれらの延長上にあるものになります。書籍というかたちで世に問うやり方もあります。しかし、書籍については何となくちょっと機を逸したんじゃないかなという気もしています。

2.Targetは同じで、とがらせる事業」というのは、今のMallに来ていただいている層に対して、もっともっと尖ったものを提供していくという考え方です。これは極めてオーソドックスで王道の考え方です。これが選択肢に入ったということは、自然体でそういったことができていないという認識の裏返しです。尖ったものを提供するためには、激しく圧倒的な勉強が必要です。自分自身が先を学ばなければなりません。それなくして、他者への提供はできません。

3.Targetをズラして、今のことを繰り返す」は、例えば1年前に実施した博多の企画のようなものです。学びの場が広がってきたといっても、それは東京の、かついろいろな面で余裕のある人たちの間でのことです。地方では学びの場はまだまだ十分にありませんし、学ぶ時間が十分にとれない人も日本中に多くいます。さらには、学ぶということと縁のほとんどない人、その必要性を感じていない人、様々な人がまだいます。今までやっていることをそういった層に向けて展開するのがこの事業です。ある意味、楽な道かもしれませんが、やり方には様々な工夫が必要です。地方開催は地方に仲間がいれば、比較的楽に(安易に)できます。しかし、学びと縁のない人に学びを届けるのは、極めてハードな仕事です。

もちろん、3択ではありません。複数やる手もあるし、第4の道も考えられます。各理事が年度末の次回理事会までに真剣に考えて、その考えを持ち寄ることにしました。ご縁のある皆様、何かご意見などあれば、是非、お寄せください。余裕があれば、これからの思考のプロセスをここでも書いていければと思います。


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