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松本順一、JCG立ち上げを振り返って

 先日、JCGが日本テレビグループの子会社となったことを発表しました。

 2013年にeスポーツ事業を始めた当時は、日本最大のエンタメメディアであるTV局のグループに加わることなど想像すらしていませんでした。eスポーツがより普遍的になり、多くの人たちに愛されるコンテンツになったことを顕著に表した事例と言えるのではないでしょうか。

 日本テレビグループの皆さんとは2022年ポケモンユナイト甲子園で協業したり、NiTRo社と一緒にお仕事したり、AXIZの選手に番組へ来ていただいたりなど、色々な形で関わりはありましたが、そういった仕事上でのお互いに対する信頼の積み上げと、双方の事業フェーズが合致したご縁で、今回のJCGの日本テレビグループ入りが実現したものと考えています。本件の成立は従来の株主の皆様やこの件に携わった関係者各位のご理解・ご尽力があってのことなので、この場にて厚く御礼申し上げます。

 eスポーツ事業を立ち上げてから10年。思い返せば、ここまで短いようで長い道のりでした。JCGは、eスポーツを心から愛する人が集まった会社です。JCGは、私がJCGを立ち上げる前からeスポーツに情熱を注ぎ、こだわり、ファンを大事にしていた人たちも巻き込みながら前進してきました。JCGには、若く熱意ある人がたくさん集まっています。

 良い節目なので、私自身の歴史とeスポーツとの関わりを振り返ってみました。いわば、古き良きネットスラングの「チラ裏」です。

 1995年、高校卒業後、アメリカの大学に留学しました。アメリカでの学生生活4.5年、異文化交流ネット先進国でオンラインゲームの洗礼を浴びました。

 2000年、新卒で通信会社に入社し、インターネットエンジニアとして働きました。当時の会社・上司がコミュニティに理解のある方々で、JANOG・JPNICなどのコミュニティ活動に参加し続けることを許容してくれました。この時代にコミュニティがインターネットの世界をけん引する姿を目の当たりにしたことが、コミュニティの力を信じるきっかけになりました。

 2005年、Age of Empires IIIが発売したときに自分の生活が一変しました。最初は友人とプレイしていた程度でしたが、ドハマりしてオンラインで友人を作り、チームを作って大会に参加するようになりました。PeerCastで配信したり、大会が無くなったときに自分で大会を開催するようになり、私の中でeスポーツに対する基盤ができてきました。

 その後、2007年、初のコミュニティであるAoE3 JP Communityを開設。2009年にHaloWars、2010年Starcraft2、2012年LoLとコミュニティを立ち上げていきました。当時は「利益」とか「事業」とかは考えたこともなく、とにかくたくさんの仲間を作って一緒に盛り上がるのを楽しんでいました。この頃はちょうど実況者として対戦実況動画を作り始め、ニコニコ動画に1200本以上の動画をUPしていた時期です。また、JCGを一緒に立ち上げることになったエンジニアの清水さん、その後一緒にJCGを育てていくことになる花山さん、高橋さん、立石さん、稲葉さんを始めとした多くの方々とも出会うことができました。当時ニコニコ大百科で記事を作ってもらったりもしました。

 また、2010年頃から、eスポーツ創成期から大会を積極的に開催していたエウレカ社やニチカレ社、SANKO社、業界団体でもあるJeSPA(現JeSU)のイベントを個人の副業としてお手伝いもしました。マイクロソフト社のAge of Empires IIIイベントに協力する機会やRiot Games本社の日本視察をお手伝いする機会もあり、そこでコミュニティのパワーに企業が目を付け始めているのを目の当たりにし、徐々にeスポーツを自らの「職業」にすることも意識するようになってきました。

 そして2013年、ご縁があってPC関連輸入代理店であるマイルストーン社でeスポーツブランド『JCG』を立ち上げました。eスポーツプラットフォームを作る、という事業方針を立て、エンジニアの清水さんと3カ月かけて大会サイト『JCG』の基盤を作りました。当時事業としてJCGを立ち上げた際、セガ社「カオスヒーローズオンライン」の大会を担当させていただいたのが初のメーカー案件でした。その後のJCGの事業方針にも大きく影響を及ぼした、今でも記憶に残っているタイトルです。

 そこから2017年に株式会社JCGの設立、五反田・豊洲スタジオの開設、2度の資金調達を経て、現在に至ります。今JCGは、一つの大きなマイルストーンを達成したという実感を胸に、次のステップに向かうための準備を進めています。今年がJCG、また自分自身にとって本当に大きな節目になるのは間違いなく、期待でとてもワクワクしています。

 これからはeスポーツプロバイダーとしての事業を大きく加速させていくとともに、新規事業や「○○×eスポーツ」といったeスポーツと何かとの掛け合わせにも積極的に取り組んでいきます。こちらについては発表できるタイミングにまたnoteを書かせていただきます。

 次回もご覧ください。

 そういえば、東京ゲームショウ2023 ビジネスディでは日本テレビさんのブースもあり、そちらに居たいと思っています。
 ご来場される方はぜひお声がけください。

株式会社JCG 公式サイト
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