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2018年10月の記事一覧

第64回角川短歌賞応募作

第64回角川短歌賞応募作

初めて短歌の賞に応募したのがこの連作。この歌たちを届けたい相手は既に僕の遠いところにいる。

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花に水温   丸田 洋渡

どう使うか分からないまま消火器を抱いて夏の向日葵畑

湖の周りを歩く始まりが何処であったか忘れて叱る

身長を表す線の刻まれた柱大きく家の古びる

窓を見て蓋を失くした水筒のように口開け嚥下する祖父

引き出しの中には湖の写真その傍の木で

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詩/七篇

詩/七篇

目次遮断機へ五歩
記憶のあちこち
「東京」
綻び
化石
死ね
天国の反復

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遮断機へ五歩遮断機が、ちょうど目の前で降りていく
そのとき、思い出して、

いける
      そう思った。

​────小学校のころ、走り高跳びをしていた。

ベリーロール。

よく回りそうな響き。
体は、それを実感していた。

五歩
お前は何歩か決めろ、と言われたから

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