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公的年金①~全体像の解説~

今回は公的年金保険
(いわゆる年金)について
解説します。

知名度はあるのに、
仕組みが複雑過ぎて、
あまり理解されていない年金制度。

しかし、
内容が少し分かるだけでも、
今後の将来設計を考える
きっかけになる制度だと思います。

ぜひ、一読してみてください。

■公的年金制度とは

まず年金制度は、
主に3つのリスクに備える保険です。

リスク①
高齢になって充分に働けなくなり、収入が減る(無くなる)リスク
リスク②
障害者となって充分に働けなくなり、収入が減る(無くなる)リスク
リスク③
死亡してしまい、家族を養えなくなるリスク

老後のことだけがフォーカスされますが、
実は年金制度の本質は、
様々な理由で収入が無くなっても
最低限の生活はできるだけの収入を保証する保険なのです。

※リスク①が発生したときに支給される年金を老齢年金と言います。
※リスク②が発生したときに支給される年金を障害年金と言います。
※リスク③が発生したときに支給される年金を遺族年金と言います。

■公的年金には2種類ある

公的年金には、
国民年金保険
厚生年金保険

の2つの種類が存在しており、
人によって加入している種類が違います。

まずは下の図より
ご自身がどこにラインにいるか確認してみてください。

年金保険 図解①

【解説】
・国民年金保険は20歳以上~60歳未満の方は加入が必須です。
※20歳以上でも学生の方は、申請によって支払いを猶予してもらえます。
・自営業、大学生、無職の方は国民年金保険にのみ加入しています。
・会社員や公務員の方は、国民年金保険と厚生年金保険の両方に加入しています。
・会社員の扶養に入っている方、または公務員の扶養に入っている方は国民年金保険にのみ加入しています。

■毎月いくら支払っている?

公的年金のために私たちは毎月いくら払っているのでしょうか?
まずは先ほどの図に追記してみました。

年金保険 図解②

【解説】
・国民年金保険料は月額16,520円(令和5年)です。
・国民年金保険料は毎年変動します。
・厚生年金保険料は本人の給料によって変動します。
(仮に月額30万の給与だとすると、大体27,000円程度の月額保険料です)
・厚生年金保険料には国民年金保険料が含まれています。
・厚生年金保険料は給与から天引きされます。
・専業主婦、専業主夫など扶養に入っている方(右のラインに該当)は、
国民年金保険料は免除されています。

■将来いくらもらえる?

公的年金は人によって貰える金額が異なります。
自分は将来いくら貰えそうか?
については、
実は日本年金機構のサイトで試算してしてくれます。
調べ方について記載したページはこちらです。

もっと簡単にイメージ出来るように、
図も下に貼っておきます。

年金保険 図解③

【解説】
・国民年金保険からは、月額65,000円程度の年金が入ります。
※20歳~60歳の納付期間、欠かさず満額納付した場合になります。
※未納付や免除期間があった場合には減額されます。
※原則10年以上の納付期間がなければそもそも支給されません。
・厚生年金保険の加入者には、国民年金保険と合算で支給されます。
・厚生年金保険から支給される年金は納付期間の収入によって変動します。

■年金を多くするオプション

公的年金だけでは将来の収入が不安なので、
将来の年金を増やせるオプションがいくつか用意されています。
(これを私的年金と言います)

まずはこれまでの図に、
そのオプションについて追記してみます。

年金保険 図解④

【解説】
・公的年金に追加して入れるオプションは、人によって加入できるものが違います。
・付加年金or国民年金基金は自営業者など(右のライン)のみが加入できます。
・IDeCo(個人型確定拠出年金)は、原則20歳~60歳までの方なら誰でも加入できます。
・企業型確定拠出年金は所属している法人で用意があれば加入できます。
・確定拠出型年金は所属している法人で用意があれば加入されています。
・個人年金保険は、様々な保険会社で用意している保険サービスになります。

■補足

・公的年金の支給は原則65歳からとなりますが、
支給開始は60歳~70歳の間で選択可能となっています。
前倒して支給開始することを繰り上げ支給と言います。
後ろ倒して支給開始することを繰り下げ支給と言います。
※繰り上げ支給は、60歳から可能ですが、毎年の受取額へ減少します。
※繰り下げ支給は、70歳まで可能ですし、毎年の受取額は増加します。


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