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「日本遺産を知って何の得があるん?」と思ったときに見るといい動画

挑発的なタイトルを書きましたが、この「見るといい」というのは現在期間限定公開中の映像紀行『日本遺産』。御託はさておきで見て頂けるなら、すぐにこちらのチャンネルへどうぞ。

せっかくだから御託を聞いてやろう、と思われる方は続けてお読みください。

見出しの「 」内のセリフは、去る2月10日㈯に東京銀座の観世能楽堂で開かれた「日本遺産の日記念シンポジウム」のトークショーに出演されたNHK『ブラタモリ』のチーフプロデューサー氏がおっしゃったもの。
日本遺産の魅力を多角的に語り合う企画で、人気番組『ブラタモリ』の視点の持ち方が、日本遺産を理解し、楽しむヒントであるとの主旨から、ぜひとも『ブラタモリ』の作り方を指南してもらおうと、メインゲストとして呼ばれ登壇されたようです。
実はそのトークショーの場でつい本音が出ちゃったのね、と思われるのが「日本遺産を知って何の得があるん?」とのヒトコトでした。「何の得があるん?」とはつまり「だから何?」と言うに等しいことと思います。

断っておきますが、氏に悪気はないと断言します。
『ブラタモリ』制作現場での取材対象への興味の持ち方、興味の広げ方を、氏は動画をまじえながら丁寧に説明してくださり、聴衆の中には、目から鱗、という思いの人も多くいたと思います。
しかし残念ながらこの方、番組で日本遺産地域の取材経験は数あれど、日本遺産を啓蒙する立場ではそもそもありません。『ブラタモリ』の制作手法が日本遺産地域のPRのやり方のヒントになるという視点は、主催者の文化庁側の受け止めにすぎず、プロデューサー氏自らはそんな風には思ってなかったでしょう。取材過程で日本遺産を意識したことなどないだろうと思いますし、もしかしたら出演依頼をうけて初めて「日本遺産」を知り、勉強したのかも知れません。

文化庁も善意でブッキングしたと思いますが、「日本遺産いかがですか?」と、明らかに「日本遺産を良く言って欲しい」との質問を振られたとき、口から出まかせ言うわけにもいかず、日本遺産を調べているうちに感じた本音がつい出てしまったのだと思うのです。

さすがNHKのプロデューサーです。場の雰囲気をうまく取り繕って、うやむやにうまく流しておりましたが、私にしてみれば「そうなんだよ!」「それを誰もうまく言えてないのだよ!」と会場で「そうだ、そうだ!」と合いの手を差し挟みたくなる気分でした。

現在筆者は、ある種ボランティア的、つまり日本遺産の「私設応援団」のような立ち位置で当ブログを運営していますが、もともとはれっきとしたビジネスとして、日本遺産を啓蒙する動画作品の制作指揮をとり、自らも取材演出を務めていた身です。このNHKのプロデューサー氏に言われるまでもなく、
「だから何?」
という、ものごとをPRするときに立ちはだかる、越えなければいけない大きな壁に最初からぶち当たっていました。

正直に言います。日本遺産はわかりにくく、表面的に説明を受けただけではつかまれにくいものです。
似て非なる「世界遺産」との比較で言えば、あちらが具体的な有形の文化財や国立公園を指すものであるのに対し、日本遺産は、国や自治体の定める有形、無形の文化財のみならず、地域の習俗、風習、自然環境、芸能など、入れてしまえばどんなものでも入れてしまえるレギュレーションのもとでまとめられた「ストーリー」が対象です。

あちらの場合、「それ何が世界遺産なの?」と問われたとき、「何千年も前に築かれた巨大ピラミッドがうじゃうじゃある」とか言えば、すとんと腑に落ちますがそれが日本遺産ではなかなか難しい。

われわれテレビ屋は、何かの価値や面白さを伝えようとするとき短いキャッチコピーを掲げようとしますが、どうにもうまい文句が構築できず苦心しました。その苦心のあとは、公式Youtubeで常時公開している番組オープニング集で確認出来ます。

https://youtu.be/QgQuWV_noPM?si=fvVAiGVfsrY7w5y7

https://youtu.be/DTaNcgN1yIM?si=EbuQhBZlj0cIE8Vq


「日本遺産?だから何?」
私がいまそれを問われたらこう答えます。

「日本遺産を知れば、日本がとても多様な魅力に溢れていることに気がつくことができる」
「日本遺産を知れば、この国の成り立ち、文化にきっと愛着をもてる」

つまり日本遺産はこの極東の列島に根を張ったこの国の、多様な魅力を知る手段、教科書のようなものだと思っています。
だから世界遺産のように直感的につかまれることは起こりにくく、多少でも探究心がないとその世界に入っていくことすらできません。

映像紀行『日本遺産』の制作陣は、
制作開始の2016年から「日本遺産?だから何?」という声にしっかり応えようと心に決め、一編一編を紡ぎました。

ただいま期間限定公開している59編、つまり日本遺産59件分の映像は、情感豊かにだれにでも伝わるようスタッフ各人が思いを込めた汗の結晶です。

一編が約14分。
もしお時間あれば一目ご覧下さい。

下記に紹介するのは、2月14日付け記事の「Youtube人気ランキング」で残念ながら最下位だった、大阪府・奈良県にまたがる日本遺産「「最古の国道」竹内街道・横大路(大道)」です。

日本が国名を「日のいずる国」と名乗った頃にかの聖徳太子が奈良・飛鳥の地と大阪を結び整備した「最古の国道」が今も国道として使われていることをご存じでしょうか?沿道には、聖徳太子創建の四天王寺はじめ、古代に創建された寺社がならび、途中の堺市のあたりにはみなさんもご存じの巨大古墳群があります。
関西以西では、「花回廊」として有名で、春から秋まで花の名所が楽しめる人気の観光ルートでもあります。

映像紀行『日本遺産』では大阪から終点の飛鳥までを駆け足ながら丹念に追い、明日香村の美しい桜景色を大量に追撮して完成させました。

下記をクリックして、ぜひご覧下さい。そして日本遺産に興味をもたれましたら、104ある日本遺産の半分以上をカバーする59編が2月25日(日)いっぱいまで無料で誰でも見られます。お好きなものをセレクトしやすいよう、再生リストも設けてありますので、ぜひチャンネルへ!

https://youtu.be/9yhV6IuHxIs?si=7gT1aLeg89HrllAu


単純再生回数では同回数
栃木県の「大谷石文化編」はこちら⇩

https://youtu.be/GHsVQE5vVJo?si=9Nk4kiyhSdXL9SLv

残念ながらワースト3入りだけど、映像美ではピカイチ!の評判を得たのがこちら!奈良県「造林発祥の地 吉野」編

くどいようですが、公式チャンネルへはこちらから!


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