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誰にも話せなかった出産秘話


いきなりですがとにかく私はめんどくさがり屋である。
どのくらいのめんどくさがり屋かと言うと、お風呂は毎日出る時に掃除し排水溝までキッチリ洗い、キッチンや洗面所などの水まわり、そして換気扇やコンロも使った後は必ず布巾で小まめに拭く。そんなプロ中のプロの真のめんどくさがり屋なのである。

このへんの(わかる人にはわかる)話はまた別の機会にするとして、今回はたまたまTwitterで見かけた岸田奈美さん主催のキナリ杯に参加するべく、おもしろい話が読みたい!との事だったので、私の人生で起きたおもしろい話を書いてみたいと思う。

そう、冒頭にも書いたように私はめんどくさがり屋である。そんな私が、しかも40歳を過ぎてから子どもを年子で産んで現在育てているのだからそれだけでもうある意味おもしろい(2歳1歳)

なぜなら子どもはめんどくさい事しかしない生きもの。それもイヤイヤ期と呼ばれる2歳児と、まだ宇宙人要素を残した1歳児はそれこそ毎日がめんどくさい事だらけなのだ。めんどくさいオンリー100%である。

だがこの子育てについては現在進行形なので、締め切り当日の今日書くにはあまりにも話がありすぎてまとまらない。なので今回は出産時のエピソードを記念すべきnoteの第1ページ目、そして私自身の出産秘話として書き記しておこう。


出産エピソードと言えば、出産前から体調を崩して入院される方や、かなりの時間陣痛に苦しみ、あげく帝王切開になったりするというちょっと危険な状態の体験談から、特に何も問題が起きずスムーズに出産したという超楽チン体験談まで様々ある中で、私は幸いにも2人ともが後者のスムーズで超スーパーミラクル楽チンな出産だった。

どちらも出産予定日を1日過ぎて、息子は破水から始まり、娘はもうお腹がパンパン過ぎてしんどくて、ダメもとで病院に行ったら既に子宮口が6cm開いてますね〜という奇跡のベストタイミング。どちらも4時間程度でドゥルン!と出てきて産後の経過も悪くなかった。

でもただひとつ、お産よりも私が難儀した事があった。それは、出物腫れ物所構わずと恐れられて泣く子も黙る(黙らない)アレである。

そう、便意。

どの育児書にも産後の体験談にも、はたまた友達からもなかなか聞く事がないこの出産と便意の戦い。
わりと赤裸々になんでも話す小学校からの友達でさえも(便意はあったけど)出てたかどうかは分からないと言うくらい(いや、出てたら絶対わかるって)ほとんど私が知る限りこの便意問題を体験談として聞く事がないのだ。
世の中には5人6人と産んでいる人もたくさんいるというのに?たった2人しか産んでいない私はそのどちらの時も便意と戦っていた。
え?もしかして私だけ?
てか、便意があるのにそっちを出さずに子だけ産むとか出来るならぜひ教えて欲しい。(病院によっては事前に浣腸などをしてくれるところもあるらしいがうちはなかった)

ある時母親学級(妊婦さんが産前に出産や産後のためのアレコレを勉強をする集い)で助産師さんに聞いてみたが、助産師さんは全員口を揃えて、
よくある事だから気にしなくて良いし、実際はそんな事気にならないくらい産む事に必死だから大丈夫よ〜(笑)と言っていた。

産む事に必死??
いや、確かにそれはそうだけど、それより私は断然便意が気になって全くお産に集中できませんでしたけど??
さらに言えば、便を出した後にやっと集中できたので、便意がなければもっと早いスーパー光の速さのお産だったんじゃないかと思ってますけども!?

…そうなのです。うちの子どもたちは私の運こ(文字化け)とともに産まれてきました。

息子の時は出産前に余裕があればトイレに行っても構わないと言われたので、なんとしてもすぐそこまできてる便意をなんとかしたかったにもかかわらず、破水をしていたせいであまりお腹に力を入れるのは良くないかと思いそのまま分娩台に乗ってしまった(結果負けた)

娘の時は破水ではないし息子の時の経験から今度こそは!と事前にトイレに駆け込み済ませていたのにもかかわらず、やはり赤子の頭とともに降りてくるヤツがどうしても邪魔をして陣痛を遠のかせてしまった(結果負けた)

しかも息子の時は夫が立ち合いだったのでその全てを夫に見られてしまい、一応事前に
「もしも出た時はごめん。そして…ちょっとゆるいかも知れん…」
と言っていたのだが、夫は
「全然ゆるくなかったよ。見事な一本だった」と、まだ分娩台の上で産後の処置をされて大股開きになっている私に向かって、産まれてきたばかりの新たな命にやや興奮しながら優しく言ったのである。
夫よ…言い方…。

産前、私と同じく40歳を過ぎて出産した友人から
「陣痛ほど神秘的で素晴らしいものはないからじっくり味わって」と言われ、出産に少しばかりの恐怖を感じていた私は妙にその言葉がしっくりきてある意味陣痛を楽しみにしていたのに、お産中はとにかく

ヤバイ…このままではヤバイ…

と、冷や汗をかきながら終始便意と戦っていた。そして結果的に

先生!!そっちが!!
あー!子よりも先にそっちが産まれまぁすぅーーーーー!!あーーー!!!!!

という、お股よりも後方からの迫りくる波に負け、お産中も今も出産の思い出は無残にも神秘的なものから遠くかけ離れてしまったのである…(産むとマジで痛みを忘れる)

あぁこんなにも出産が大変やったとは…!(別の意味)

でも考えてみて欲しい。それでなくても子に圧迫されてギューギューになった腸の隣を、グレープフルーツくらいの頭の3キロ程もある物体が押し出されてくるのだから、そりゃ便意を我慢しろという方が無理無理のむりでしょ。でしょ?

助産師さんは良くある事だからと言っていたのに未だに誰からも聞かないし、育児アプリの相談や体験談にもほとんど載っていないこのタブーな戦い…。
天使のような可愛い我が子が産まれてきてくれました!と、素晴らしき出産秘話として大っぴらに体験談を話せないジレンマを、このnoteを読む誰かが共感してくれたら…(果たしてこんなに公に話してしまって本当に良いのか疑問)そうすればいつかきっとうちの子どもたちにも笑い話として話す事が出来るかもしれない…(いやきっとまんま話す)

どの育児も大変だが年子育児は本当に毎日が疲労困憊。でも私がもうあと10歳若ければ5歳差くらいでもう1人欲しかったなぁ…と思う今日この頃。

先日ツイッターを見ていたら(私の疲労回復源)昨今のコロナ自粛で10代〜40代の妊娠&中絶が増えていると医療関係者の方が嘆いていた。特に40代の方はそれこそ家庭内外のタブーな事情から、あとは、もう今さら出来るはずがないと思っていたら授かってしまった…でも3人目4人目はちょっと…というケースなどが多いらしい。

無計画で年子を妊娠した私にもその気持ちはなんとなく分かる気がするけれど、しかしそのどんな場合にでも医療に携わっている先生方は大丈夫ですよと勇気づけてくれたり励ましてくれたりする。
でも一方でこういう見えない部分の悲しみや憤りや様々な出来事に、日々大変な思いをしながら向き合っていらっしゃるのかと思うと心底頭が下がる。(ほんと二回も粗相してすみません)

私はもう年齢的にも体力的にも次の妊娠はもう無理だろうなと思っているし予定は全くないけれど、これから妊娠を希望する方にはぜひ計画的に、そして出来るだけ健全なタイミングで妊娠に向き合えるように環境を整え、男性も女性も子を授かるという素晴らしき奇跡について改めてきちんと考えて欲しいなと願うとともに、既に現在妊娠されていてこれから出産という未知の世界を体験する方には、どうか無理をせず心と体の安全と、そして、どうぞ出産の前にはくれぐれもトイレに行って先に用を足してスッキリしておく事を心よりお勧めいたします。(いや、きっとみんな言わないだけで出してるから大丈夫!)

長くなりましたが最後に、ここ最近育児に疲れ果て何もやる気が起きなかった私に、育児以外に集中する時間を作る機会を与えて下さったキナリ杯、岸田奈美さんには深く感謝申し上げます。
文章を書く事は、自分の心を整理しながら自分と向き合えるとても良い時間だなぁと久々に実感いたしました。(過去に一度だけ短編小説を書いて応募した事があるが駄作すぎて黒歴史)
そして、これを機会にこれからもnoteに細々とでも書き綴っていけたら…日々の視点がちょっと変わって育児以外の自分自身の楽しみが少し増えるかもなぁと思っています。

ここまで長く拙い文章を読んでくださった皆さま本当にありがとうございました。それではまた。

#初投稿 #キナリ杯  
#出産 #出産秘話 #年子 #育児


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