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生まれてきた意味


「生まれてきたことに意味はあるのか」

そうした問いに直面したことは
ありますか?

おそらく、ほとんどの人は
「きっと意味があるだろう」と保留するか
「考えるだけ無駄」とあしらうか
どちらかなのかと思います。

この問いは

人間が生まれてきたことに意味はあるか?」

なのか

私が生まれてきたことに意味はあるか?」

なのかで、

考えることが変わってきます。

しかし、ほとんどの人にとって
後者の問いを考えることの方が
重要なのではないでしょうか。


こうした、「人間」という一般論ではなく
「(ここにいる)私」の問題は、
実存」の問題と呼ばれます。

「実存」なんて言葉、日常では聞きませんね。

「実存」は、「現実存在」の
真ん中二文字がとられています。

「現実存在」というのは、
実際に今ここに存在している「私」のこと

たとえば、
「人間ってバカだよねー」というのと、
「あなたってバカだよねー」というのとでは、
まったく違う問題になります。

この後者の
「あなた」が指すのが
実存」です。

「人間って◯◯だ」
「男性は〜」「女性は〜」
「ゆとり世代は〜」「Z世代は〜」

そうした話は、巷に溢れていますが
実際問題わたしたちが悩むのは、
「自分(私)がどうか」ということです。


こうした問題において、
有名な言葉があります。

それは
「実存は本質に先立つ」
という言葉。

おそらく、
こうした問題に関心がある方なら
一度は聞いたことがあるでしょう。

フランスの哲学者、
サルトルの言葉です。


この言葉は、
たとえがわかりやすいので、
通例にならいます。

たとえば、
ハサミを思い浮かべてください。
ハサミは、何に使いますか?

「切る」ことに使いますね。

つまり、
ハサミは「切る」ための道具です。
この「切る」がハサミの本質です。

もし、刃がなくて切れないハサミがあったら?
それは、ハサミとは呼べません。
紙をくにゃっと曲げるだけの「何か」です。

本質とは、根本の性質のことで、
ハサミの根本の性質は「切る」です。

道具というのは、
この本質が先にあって、
実存、つまり実際の存在がつくられます。

「切る」ために、ハサミが作られます。
「刺す」ために、ハリが作られます。


では、
人間はどうでしょうか?

大谷翔平さんは、
「野球をする」ために生まれたのでしょうか?

藤井聡太さんは、
「将棋をする」ために生まれたのでしょうか?

もののたとえとして、
「あの人は◯◯をするために生まれてきた」
ということはあります。

しかし、
「野球をさせる」「将棋をさせる」ために
子どもをつくるというのは、

なんだか子どもを道具として扱っているようで
聞こえのよいものではありません。

つまり、
まず生まれてきて、その人が選んだ結果、
「野球をする」「将棋をする」人になった

そのように私たちは考えます。

人の場合は
本質が先にあって生まれるのではなく、
生まれてから本質ができるのです。

これは、
心地良くも恐ろしくも聞こえる内容です。

なぜって、
もしハサミに生まれたら、
「自分が何者か」なんて悩む必要はないのです。

誰かに先に本質を決めてもらっていたら、
迷わずに済むのです。
それになればよいのですから。

でも、
人間の場合はそうではありません。

気づいたら、この世界に産み落とされていて、
自分の生きる意味、自分の本質を
決めていかなくてはならないのです。

「なんて自由で素晴らしいんだ!」と思うか、
「なんて責任を課せられたんだ!」と思うか、
人によるところだと思います。


昔は「身分」や「家業」という形で
本質が決められている部分がありました。

しかし、
現代ではこうしたしくみはなくなり、
職業も人間関係も自由に選べるようになりました

自由の範囲が広がったからこそ、
選択の責任も強くなります。


少し話は戻りますが、
「実存が本質に先立つ」

つまり、
その人が何者であるか、何をするかは、
生まれた後に決められる、
のでした。

ということは、
生まれる前に、
その人の本質は決められていません。

もっと言えば、生まれただけでは、
生まれてきた意味はない
と言ってもよいのです。

そして、
はじめから意味はない、
だからこそ、意味をつくることができる。

あなたが生まれてきた意味は、
あなたが選び、つくることができる。

こうした希望的な側面を見てみると、
必死に絶対の「答え」を探さなくてもよい
という気持ちになります。


生まれてきた意味は、
探すものではなく、
つくるものなのですから。



おわりに

最後までお読みいただきありがとうございます!

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