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【絵本紹介】魔法の言葉『だいじょうぶ だいじょうぶ』


『だいじょうぶ だいじょうぶ』
いとうひろし◎作・絵
講談社



いとうひろしさんのベストセラー絵本。いつもそばにいてくれた「おじいちゃん」と「ぼく」との日々が描かれた心あたたまるお話です。


前半は、ぼくの回想から始まります。

ぼくが いまより ずっと あかちゃんに ちかく、
おじいちゃんが いまより ずっと げんきだった ころ、
ぼくと おじいちゃんは、
まいにちのように、おさんぽを たのしんでいました。

絵本「だいじょうぶ だいじょうぶ」から引用


ぼくにとって、おじいちゃんとのお散歩は、新しい発見や楽しい出会いがある一方で、困ったことや怖いことにも出会う、まるで冒険のように感じていました。


だけど そのたびに おじいちゃんが
たすけてくれました。
おじいちゃんは、ぼくの てを にぎり、
おまじないのように つぶやくのでした。
「だいじょうぶ だいじょうぶ。」

絵本「だいじょうぶ だいじょうぶ」から引用


子どものころは、未知のことを怖いと感じてしまうことが多いですよね。成長するにつれていろんなことを学び、むやみに怖がらなくてもいいとわかっていきます。
ぼくは、おじいちゃんのやさしい笑顔と「だいじょうぶ だいじょうぶ」の言葉に励まされて、見守られて、優しい時間をすごして成長していきます。

お話の最後は、成長したぼくが病気療養中のおじいちゃんに会いに行くのですが、年を取ったおじいちゃんへぼくがとった行動に感動し、毎回、目頭が熱くなり涙が溢れて出てきます。


* * * * *

おじいちゃんが、ぼくに届けてくれる「だいじょうぶ だいじょうぶ」という言葉は、ぼくの1つ1つの不安を丁寧に取り除いてくれている訳ではないように感じます。

きっと、おじいちゃんも「だいじょうぶ だいじょうぶ」って言える根拠がある訳ではない…ないけれど、長く生きているうちに「なるようになるさ」と思えるようになったんじゃないかなぁ…と、お話を読んで感じました。


むりして みんなと なかよく しなくてもいいんだ…

たいていの びょうきや けがは、いつか なおるもんだ…

この よのなか、そんなに わるい ことばかりじゃ ない…

絵本「だいじょうぶ だいじょうぶ」から引用


努力することは大事だと思う。でも、無理はしなくていい。必要以上に怖がらなくていい。

おじいちゃんからのメッセージが伝わってきます。


「だいじょうぶ  だいじょうぶ」

その言葉には、全ての不安を包み込んでくれている様な不思議な強さを感じます。心に少し余裕ができて、無理をしないで生きていくことができる。そして、人に対しても優しい気持ちにもなれる。この魔法の言葉をいつもかけてあげられる、そんなおじいちゃんのような人に私もなりたい・・・

15年前にこの絵本に出会ったのですが、何度読み返しても「なんて優しい絵本なんだろう」と思います。そして、読めば読むほどじわじわっとこの絵本の奥深さを感じ、あたたかい気持ちになれる一冊です。

子どもにも、孫にも、ずっと語り伝えていきたい絵本ですね。


* * * * *


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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