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4/9 ニュースなイタリア語 Ultima generazione:次世代

気候変動(cambio climático)の窮状を訴えるイタリアの活動家グループ(activistas)の名称。

「次世代は」、「次世代による」、「次世代のための」などなど、いろんな解釈ができる。

さて、今回は男性3名、女性1名の少人数だが、やってることは中々過激で、ミケランジェロ(Miguel Ángel;Michelangelo)の「ダビデ像(escultura del David)」の前で次のような投稿と共に、気候変動についての一演説をぶった。

只今、フィレンツェのダビデ像前で活動中。もう恐れていてはいけない。私たちが立ち向かうべき巨人は、抑圧的で、不当な権力だ。こいつに打ち勝つためには、我々は頭脳を使わなければならないし、共に行動しなければならない(Ora in azione a Firenze - il David. Non dobbiamo avere paura. Il potere oppressivo e ingiusto è il gigante contro cui resistiamo. Per vincerlo dobbiamo usare l'intelligenza, dobbiamo agire collettivamente)。

ダビデ像の周りの柵(barrera)に沿うように並び(encadenarse)、環境問題について、イタリア語で訴えている動画がネット上には流れている。

手には「復興基金(Fondo Riparazione)」と、その増額をもとめる幕を掲げている。

同様の動きは今年の2月にもあって、その時はサンドロ・ボッティチェッリ(Sandro Botticelli)の名画「ヴィーナスの誕生(Venus)」の前で、同じ「復興基金」と書いた幕を持った若者ふたりが、絵画に何やら写真を貼って、気候変動の窮状を訴えている。

また、先月にも、ボッティチェッリの「春(primavera)」で同様の活動があった。

イタリア政府は2月、芸術作品(obras de arte)、歴史的建造物(monumentos)、文化遺産(bienes del patrimonio cultural)に対して、暴挙(actos vandálicos)をはたらいた者に対して、刑事罰(sanciones penales)の他に最大6万ユーロ(約980万円)の罰金(multas)を課す法律を可決したばかり。

動画や画像を見る限り、皆、真面目そうな若者だ。

彼らの「頭脳(l'intelligenza)」をもってすれば、名画や文化財に傷でもつけたら6万ユーロでは済まないことは分かるはず。

スペインでも、特に若者に、同じような動きがあることを、直近では、1月14日の小欄でも紹介した。

若者たちの切実な訴えに耳を傾けてこなかった大人も、政治も悪いが、やはり、より多くの皆に共感してもらえる訴え方じゃないと・・・。

これが処世術(と、まぁ、こんな生ぬるいことを言っているようじゃ、彼ら・彼女らには口を聞いてもらえないね・・・)。

写真はダビデ像の前で環境問題に熱弁をふるう「次世代」の若者たち。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240407/activistas-cambio-climatico-david-miguel-angel-florencia/16049308.shtml