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2/17 ニュースなスペイン語 Impunidad:無罪判決

久々に公の場に現われたパブロ・イグレシアス(Pablo Iglesia)。妻のイレネ・モンテロ(Irene Montero)と共に会見に応じていた。

モンテロは現職の「平等大臣(Ministra de igualdad)」、イグレシアスは連立与党であるポデモス党(Podemos)の創立者のひとりで、副首相まで務めた人物だ。昨年実施されたマドリード知事選挙に出馬するも大敗し、今は政界を引退している。

この度、ふたりは公人としてではなく、彼らのふたりのこどもの「両親(progenitor;padres)」という立場で、裁判所(Justicia)に出廷した。

2019年、オーケーディアリオ(OKdiario)紙の記者(periodista)がイグレシアス・モンテロ夫妻のふたりのこどもと、彼らを世話していた家政婦(cuidadora)に対して過度な取材を行ったとして、イグレシアスらがこの記者を訴えていた。

検察(Fiscalía)は懲役1年(un año de prisión)を求刑していたが、この度、裁判所が下した判決は「無罪(impunidad;absolver)」だった。

母であるモンテロはかつて、記者会見で「私たち夫婦は私たちに対してなされること、そして、今までなされてきたこと、そして、今後なされるであろうことを受け入れる準備があります。しかし、子どもたちに対しては、すべてが許されるというわけではありません(Asumimos cosas que se puedan hacer contra nosotros, que se han hecho y que se seguirán haciendo, pero contra los hijos no todo vale)」と述べたことがあった。

一方、イグレシアスは判決後、次のようにツイートした。

検察の懲役1年の求刑を破棄し、裁判官は我々のこどもたちはオーケーディアリオ紙の記者による嫌がらせを受けてはいなかったと認定した。我々は更なる訴訟をおこすつもりだが、この無罪判決には大変心が痛む。もし、私たちでなければ、もしかしたら、すべてが違っていたかもしれないという気持ちだ(Contra el criterio de la fiscalía que pedía un año de cárcel, el juez determina que nuestros hijos no fueron acosados por el “periodista” de OK Diario. Recurriremos pero duele en el alma la impunidad y la sensación de que, si no fuéramos nosotros, todo sería diferente)

自分たちが公人ゆえに、子どもたちや家政婦にまで被害が及んでしまったことを詫びたげなツイートは、子のあるなしに拘わらず、やるせない気持ちになる。

訴状によると、記者は、イグレシアス夫妻の子どもたちがマドリード北西部のガラパガル地区で家政婦と共に暮らしているとの情報を2019年10月にキャッチした。

当時、イグレシアスとモンテロは政界を賑わせていたため、ふたりの公共的な反響ゆえ(dada la recuperación de progenitores)、記者は同年11月〜12月にかけて、数回子供らがいる住居を訪れたり(se personó)、電話をかけたり(llamar por teléfono)、呼び鈴を鳴らしたり(llamar al timbre)したが、家政婦はもとより、子供たちとも接触ができなかったという。

結局、こうした記者の行動がイグレシアスとモンテロに「いくぶんかの心の乱れ(cierta alteración)」を引き起こしたものの、記者からの取材活動に耐えた(soprtó)のは、家政婦ひとりだったとし、記者の行動は「犯罪を構成するものではなかった(no constituyó un delito)」と認定した。

公人とプライバシーのせめぎ合いは日本でも問題になるが、スペインの方がわずかながら、公人に対して厳しいような気がする。

写真はモンテロ(左)とイグレシアス。マスクで全体像がわからないが、結構、イケメン。ちなみに、イグレシアスには現役時代、「マゲ(coleta)」があった。

出典
〈本文〉
https://www.rtve.es/noticias/20220216/absuelto-periodista-acoso-hijos/2291290.shtml

〈写真〉https://www.cronicabalear.es/noticias/cultura/