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楽天イーグルスのドラフトの問題点をトレーナーの方に分析してもらってみた

こんにちは。今回は楽天イーグルスのドラフトについて再検証して行きたいと思い、僕が野球の特に技術論に対して確固たる信頼を置いている、主にアマチュア選手相手にトレーナーとして活動していらっしゃる度ハマりさん(twitter @dohamari_24)にお話をお伺いしてみました。

楽天の打者は何故ゴロヒッター、短距離打者が多いのか

まず、僕は最初に「楽天の打者は何故全体的にゴロヒッターが多いのか」ということについて聞いてみた。僕は右投左打のバッターが多いことが原因なのではないかと思っていたが、度ハマりさん曰くそれはあまり関係ないとのこと。

まず、ゴロを打つメカニズムとして、ボールの上をバットで叩いてしまうことにある。つまり、低めを上から叩いてしまう、低め苦手とするバッター、側屈の苦手なバッターがこういう傾向にあるとのこと。

側屈とは、要するにこういう動きのことで、身体を曲げることである。

MLBの一流打者は大体この側屈が上手く、低めを上手く拾い上げフライを上げる技術があるとのこと

トラウトのバッティングフォームも側屈している

楽天打者が低めを拾う場合、多くは側屈ができておらず、膝を曲げてなんとか当てようとしているので、ゴロになっているのではないか、との指摘だった。

確かに、以下の岡島、辰己のゴロ連打で先制した動画を見ると、真ん中からやや低めに対してトラウトに比べて大きく膝を曲げて対処していることがわかる。

この傾向が強いので、ゴロ性が多いでのでは?とのことだった。

ドラフト成功球団との比較 ① オリックス

話は盛り上がり、近年ドラフトが成功している球団との差は何か?という話になった。

漫画「ドラフトキング」は実際にプロスカウトに取材しながら描いた漫画であるが、主人公の郷原は眼には長けてるものの、そのほとんどが直感で判断している。

オリックスは山下舜平大や紅林のような「技術的なものは置いといて、とにかくフィジカルは化け物級」な選手と池田や内藤のような「フィジカルはプロレベルの最低限のものはあり、技術的には間違いない」選手を確実に取っていっており、トレーナーが本格的に球団に関わり出した2020年から特にその傾向が強いと言える。

だから「各球団のプロの眼」と言えども「客観的に力量を裏付けできる知識」を持っているオリックスは強いのではないだろうか。

ドラフト成功球団との比較 ②阪神との比較

次は阪神との比較である。これはかなり楽天との比較で核心に迫った考察なので是非チェックしていただきたい。

阪神と楽天の最大の違いは、阪神は「市場に沿って、良い選手を上から取っていく」のに対して、楽天は「補強ポイントを重視しすぎ、市場に沿わない選手を上位で高掴みする」のが最大の違いである。これは、自分と度ハマり氏の両方の見解が一致した。

楽天のドラフトはいわゆる「デプス埋め」であり、MLBの球団では広く用いられる手法である。これが何故ダメなのか?阪神は何故しないのか?というと、二軍の規模の違いである。

MLBにおけるMiLBは数がかなり必要であり、ポジションを賢く最低限埋めないと運用すらできないのに対して、日本の二軍は規模が小さく、最悪、育成選手であったり戦力外で穴埋めできるのである。
また、余った選手はトレードに出して、補強ポイントの選手を取ればそれで済む話なのである。

実際、楽天は二軍運用はかなり効果的にできており、阪神はファームのポジション振りに関して言えばかなり崩壊しているのが現状である。

しかし、一軍戦力の最大化、という点で見ると阪神のドラフトは強く、その年の市場に良い選手がいれば、投手が補強ポイントでなくても投手に行き、野手でいいのがいれば野手に行く、といった行動が取れており、結果、現在戦力の最大化に成功している。

一方楽天は補強ポイントを埋めることには成功しているが、不作でも市場にいる中でその補強ポイントを探してしまうため、中途半端な選手を取ってしまい、結果投手野手が全体的に全てのポジションが60点、みたいな状況に陥ってしまっている。

僕はこれを楽天ドラフトの良い所でもあると思っているが、度ハマり氏曰く戦力の最大化という観点から見てマイナスが大きいように見える、とのことだった。

終わりに

僕は話をしていて、特にオリックスは「今後のドラフトの成功の再現性」も高いなと感じた。

阪神は、おそらく感覚的に選手を取っているため、評価が高い選手が実は活躍する資質に薄い、ということもあると思う。なので、日本ハムのように評価を見誤り、負のループに陥る可能性ももちろんある。

しかし、オリックスのドラフトは専門的な知識に裏付けされており再現性も高く、今後の野球界を生き抜く上でかなり強力な武器を持っていると感じた。

楽天のドラフトは独自性は高いが、スカウトのインタビューを聞いていても感覚的なものに頼っているように感じ、ここら辺が現代野球のトレンドに乗り遅れている最大の要因なのではないかな、と感じた。

協力して頂いた度ハマりさん、ありがとうございました。

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