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実録:肉食系人事の採用手法ver.1.01(2022年下半期口説き3件)

みなさんこんにちは。ぼっち人事のpapaoです。
今日はこんなお弁当を作りました。

・賞味期限ぎりぎりの子供向け冷蔵ナゲットを大量消費
・そのおかげでご飯とハム卵焼きが全面隠れる

チキンの癖して肉食ってね←うまいこと言ったとか思うなよ(# ゚Д゚)
前段これでおわりです。←マジで?

さて、今日のメニューは表題の通り、採用の際の「口説き」事例を新たに3件、綴ってみたいと思います。
前回の記事でちょっと触れましたが、ここ数カ月の採用が例年と異なり、激動でした。これまでのブランディングなどが功を奏したのかどうか、要因は別途分析予定ですが、狙っていた候補者が想定以上にどんどんと応募してきてくれまして、(嬉しい悲鳴ですが)ピークの状態が3カ月くらい続いていました。

10年くらい人事をやってきて、こんなにも連続して有能人材の確保が出来たことはありません。面白い体験ができたと思うので、記録に残すと同時に、他の人事の方々のご参考になれば幸いです。

papaoが今回接した人材は全て「施工管理」の方になります。言わずもがな、「建設業」「施工管理職」なんてのは採用市場の中でもトップクラスの採用難易度です。

と、前置きはこれくらいにして、以下に3名分を記録していきたいと思います。

  1. 40代後半、ライバル企業の部門長クラス

  2. 30代半ば、国内トップクラス企業の支社内エース

  3. 20代半ば、専門校中退後に叩き上げドリーマー

【ケース1:40代後半、ライバル企業の部門長クラス】


〇採用ツール:ビズリーチ(アシストモードによるスカウト)
〇応募時期~入社承諾まで:約2.5カ月
〇転職理由:経営層との不和、露骨なベテラン社員優遇への嫌気
〇承諾前の接点:カフェで面談→本社最終面接

プロフィール上から「こんな高度人材、『面接』の体で上から目線しちゃアカンやつや(;^_^A」というレベル感が即座に判定できたので、通常の選考フローは置き去りにして、まず先方の現職企業のオフィス最寄り駅のカフェを予約し、そこで対面でお会いしました。
その際に、「選考ではない」ことを伝えた上で、60分の面談の内の40分を応募者の方のお話をとにかく引き出すことに終始しました。ある程度、共感を元にした空気感が醸成できたところで、残り20分を使って会社説明&口説き。一気に他社より優位な自社の特徴で畳みかけました。
※30代以下であれば『情熱』である程度押すこともあるのですが、これまでのメールやり取りと面談から「論理型」「奉仕型」「冷静」のお人柄が見えたため、敢えて100点満点を目指さずに75点の印象のままで今後の選考に繋げることに全力を注ぎました。

その後、2週間に一度、転職活動の状況伺いをするだけの文面に、ちょこっとだけ会社の近況アピールを2,3行盛り込んだメールを送りながら、約1カ月が経過。
突然、先方から「最終選考の案内をしてほしい」という連絡が来て、即座に代表のスケジュールを押さえ、最終選考を実施。
エージェント案件とも併せて、のべ10社ほどの候補企業の中から弊社を選んで頂き、入社が決まりました。
ちなみに、最後の内定通知後の承諾確認のためのオファー電話は、会社の代表にやってもらいました。

教訓:トップ人材には焦ってかからない。虎(社長)の意を借る狐になりきれ!

【ケース2:30代半ば、国内トップクラス企業の支社内エース】

〇採用ツール:AMBI(人材リストからのスカウト経由応募)
〇応募時期~入社まで:約5カ月(内、退職フォローが2カ月)
〇転職理由:常態化した長時間労働、大手企業であるが故の個人軽視
〇承諾前の接点:Web人事面接→本社最終面接→退職交渉フォロー

以前の実録記事におけるフラれたエピソードの時と酷似している状況での採用活動となったため、これはもう、神様がpapaoにリベンジをさせようとしているとしか思えず( ー`дー´)キリッ個人的に過去最大レベルに注力をした採用活動になりました。
まず、この候補者は現職が忙しすぎて「面接の時間が作れない」という問題が常に付きまとっていました。通常、このレベルの即戦力候補者であれば転職先を決めるのに引く手あまたになることから1カ月程度で決まることが多いです。ですがこの方は生来の真面目さゆえか、「自分で探す」ことにこだわり、少ない合間時間を縫ってスカウト文をつぶさに確認したり、夜な夜な自身の意中の企業を探していたそうです。
そんな中、自宅から1000km以上離れたところにある弊社に目を付け、他の企業には目もくれずに弊社オンリーで応募してきてくれました。

正直、元々の熱が高かったためか、選考や内定にはほとんどハードルはなく、唯一難しかったのは現職の忙しさを縫って面接スケジュールを設定することくらいでした。
しかし、真に恐ろしかったのはこの後です。。。

・退職届を提出後、その場で3時間上司2人と面談実施。
・翌朝、事業部長クラス含めた3人の管理職から説得の面談が約4時間。
・猛烈な引き留め工作に溜まらず1週間の考察期間を作ることを余儀なくされ、総務部内で退職届はフロー上停止。人事部には届かず。。。

※法律上、アウトなはずなんだが…

いや、もう全く予想通り過ぎて(;^ω^)
今年2月にあった事例と本当に全く同じ現象が起こってました。大手企業ってみんな若手の離職防止マニュアルが同じ内容なのかと思っちゃうくらい。。。

で、papaoが事前に採っていた対策は以下の通りです。
〇会社から猛烈な引き留めに遭うことを予見するガイドラインを作成し、最終面接時のあまり時間を使って今後起こりうることを解説。
「職業選択の自由」という憲法に認められている権利は、大手企業内の就業規則にある規定よりも法的効力が大きいことを、法務目線で解説。
〇もしも困ったことがあったら、すぐにpapaoを頼ってほしいこと。そして、事が起こったらほぼ毎日連絡し合って対策を練ることになること。

事前にこれでもかってくらいのシナリオを描いて、それを全部候補者さんにインプットしておきました。
途中、入社後10年以上面倒を見てくれた先輩社員から飲みに誘われて引き留められたときはさすがに気持ちが少しグラついたらしいのですが、元々彼本人が持っている意志の強さと転職意欲で踏みとどまり、無事に退職届受理にたどり着くことができました。

教訓:大手企業には離職防止マニュアルがある。対策なしに臨むべからず。

【ケース3:20代半ば、専門校中退後に叩き上げドリーマー】

〇採用ツール:建設業界向け人材エージェント
〇応募時期~今まで:約1カ月
〇転職理由:成果に応じて給与が上がらない、一族企業であるが故の従業員軽視
〇承諾前の接点:Web人事面接→本社最終面接→オファー面談

通常、建設業界の施工管理の一人前は30代以降となることがほとんどです。ですが、この候補者は18歳で専門学校を中退後、すぐに家庭を持って死に物狂いで生活のために働き始め、這い上がってきた人材です。
これだけのハイスピードで成長している20代人材が、建設業の転職市場に出てくることは稀です。

面接、最終面接と順調に進みましたが、最後に引っかかったのが「競合企業」との競り合いです。
トータル6社から内定の提示を受けており、この転職活動が実質的に人生の中での初めての就職活動だった候補者にとっては、会社選びの仕方もわからぬままに多くの内定を手にした状態で、とても迷っていました。
※新卒さんが内定取り過ぎて選び方がわからなくなる、アレです(;^ω^)

即座にエージェント経由で面談を取り付けてもらい、彼の真意を聞き出したところ、結論として以下のような観点で悩んでいました。
・会社のいいところしか聞いてないので、全部良く見えてしまっている。
 →papaoから「将来性・成長性」を、納得できるまで全企業から聞き出すように助言。
・18歳から連れ添っている奥様から「ほんとに頑張れるのか?」と詰め寄られた際に、はっきりと答えることが出来ず、自分の意見を通しきれていない。
 →「負けんなっ(;'∀')」「いい奥さんだねっ!」って励ましました。

ぶっちゃけ、新卒採用時に行っていた行動フォーマットをそのままトレースしつつ、奥様ブロック(ブロックって程でもないんですが。。。愛のムチって感じ?)の対応策を授けて、論理補強をしてあげました。

ですので、「応募企業の人事」としてではなく「転職エージェントの志向性」「転職を経験した先輩」的な立ち位置をフォーマットとして、彼に対して自分の意思で、自分の考えて6社から1社に絞るように助言をしました。

※3人目の方については現在進行中の案件です。来週、結果が出る予定(;'∀')

教訓:若い人ほど「早く打つ」。テンポよく接して理解者となれ!


以上、3件の口説き事例です。

正確に言うと、「口説き」というよりは入社までにあるハードルを一緒に取り去ってあげる活動をした…という感じですかね。
3件全てに共通して言えるのは、会社の広報マンとしてではなく、候補者の伴走者としての志向性を意識して行動をしていました。

内定承諾の報を聞いたときには、サッカー日本代表が世界大会で初めて勝利した時とか、ラグビー日本代表がスコットランドに勝利した時と同じくらい叫びました。社内で(;^ω^)うるさくてゴメンナサイ。

今後も印象的な事例があれば、こんな感じで挙げてみたいと思います。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。

また来週m(__)m

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