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なぜMBAなのか? →コスパがどうこうより「楽しいからです」ってのが本音でもよい

こんにちは、国立台湾大学現役MBA生兼サラリーマンのJinです。

今なぜMBAが必要なのかって議論はたくさんありますが、極論的結論からいうと「楽しいから」だけでもいいと思います。むしろ楽しいだけでも充分お釣りがくると思ってます。コストパフォーマンスがどうこうは誰かを納得させる言い訳に過ぎません。恋人だったり、配偶者だったり、自分自身への言い訳だったりします。

忙しく会社と家庭の往復だけの毎日は退屈してくるものだと思います。忙しい毎日にあえてもっと忙しくすることになるのだけれど、スタバ的にいえばサードプレイスをぶち込むとなにかが変わるような気がしました。実際仕事も家庭も同じなのだけれど、でもなにか質が変化しました。

たぶんそれは「MBAではないなにか」でもよいのだろうけど、今の僕にはMBAが一番しっくりきました。

「自慢ではありませんが」僕はその都度ひとつしか受験・面談したことありません。高校受験も1校のみ、大学推薦も1校のみ、新卒入社も1社のみしか面接しないで就活修了、その後の初海外外資系就職のシンガポールも1社のみ、初台湾就職も1社のみの面接で、MBAも1校のみしか願書出していません。

落ちたことないの自慢してるわけでなく、むしろそれは逆に「致命的欠陥」であるということです。現在金融商社的な「仲介」という仕事をしていますが、顧客利益のために複数の見積とオプションを用意しています。普通は複数の可能性を試してみて、より良いものを選ぶのが世の中のセオリーなのに、そんなこと考えたこともなかったというとても恥ずかしい人間です。

もちろん、過去を振り返ると選考に通らなかったことなんてたくさんあります。大学体育会バスケ部はセレクションに落ちたし、宅建試験も落ちたし、BJリーグトライアウト(プロバスケの採用試験)も落ちたし。

母子家庭の貧しい家庭に育ったものの、兄弟の片割れが文武両道で異常なほど優秀で、「弟は優秀なのに兄貴はダメだね」と言われ続けていたのも事実なのだからしょうがないってなりますが、いくつかエピソードがあります。

高校生のときバスケでは東京4支部のひとつでチーム優勝しているし、個人でも支部選抜に選ばれるなど当時はちょいちょい頑張っていたんですが、大学バスケ部のセレクションはてんでだめ。一度落ちたあと、優しい先輩が監督に掛け合ってくれて入部を許可された。でもしばらくベンチにすら入れない。あるとき何かのはずみで先輩が「あいつの弟ってインターハイで活躍したあいつですよ」と監督に伝えたことで、監督「本当か、あいつはものすごい選手だぞ」となぜか翌週から僕がベンチ入り。それ実力なんにも関係ないじゃん。当時の僕は子供でひねくれものなのでそんなんで萎えて体育会の部活は辞めた。

新卒で入った会社を退社したあと、「それならうちの会社くる?」って誘ってくれるのは弟のことをよく知っている人。誰も僕の実力とは関係ない「関係性」だけで物事が流れていく。直感的にここは違うなって思った。

女手ひとつでうちら兄弟育てた母にも感謝してるし、弟にもこれからも成功し続けてほしいと願っているが、なにかしがらみのないところで自分の力だけでやってみたかった。逃げと言われれば確かに部分的にはあっただろうが、そんなことも日本から出たひとつの理由だったりする。(語らせたらまた長くなるけどポジティブに海外出た理由もたくさんありますが)

遅かれ早かれどんなにあがこうが、結局のところ自分だけではどうにもできないのが人生で、誰かと協力しないといけないってのはこの年になってやっと理解する。まあ、失敗・コンプレックスだらけの小っちゃい人間なのですよ。

そんなこんなで台湾大学GMBAに入って同級生の優秀さに圧倒されて、ちっぽけなプライドもズタボロになっても学校に通うのが純粋に楽しいんですよね。日本の大学生の時はなかった刺激がここにはあって、当時はお金もなかったことが制限となっていたというのもあるけど、社会人になってある程度自由に使えるお金があって遊べるのと。いえ、誤解を招かないようにいうと普段は勉強しなければならない量はブラック企業勤務並みの環境ですが、遊ぶときは本気ってことで。

語学留学の目的と同じで、ネイティブの中に混ざるのがいいんですよ。語学の意味だけでなく、MBAの学生達のレベルの高い環境に身を置くことで自分も成長できるから。このメンバーの中にいて、まだ成長できる自分がいるって発見できるのが楽しい。

ここまでが「単純に楽しい」で、ついでにコスパで考えると、日本で中身のない飲み会/1万円を週2回ペースで月8回、年96回、2年で192万円。この時点だけで台湾大学GMBAの授業料と同額程度。

「学生しているうちの機会損失が…」とか「キャリアの中断が…」というのは海外MBAだろうと働きながらすればいいでしょというのが僕の意見です。そもそも僕もMBAなくとも海外就職してますから。働きながら学校いってますから。僕のような非エリート人間がやっているのだから他の人に出来ないわけがない。

それで数字では測りにくい「学歴」、「ビジネス知識」、「海外ネットワーク」、「英語力の向上」、「おまけの中国語」等が手に入ったあとで結果的に昇進・キャリアアップだったり、年収アップだったり数字に置き換えやすいものが見えてくると思います。

「MBAってペイしますか?」という質問は、もしかしたら高額すぎる米国MBAは人によるのかもしれない。でも台湾大学GMBAだとペイしないのは不思議でしかない。

*失敗談というか、プライドズタボロにされたエピソードをもう一つ追加。僕は英語ゼロから始めて30代になってからビジネスでこなせる英語話せるようになった自覚があり、成長力にはある意味自信を持っていました。

英語ネイティブと自負するマレーシア人女性(マレーシア育ち、シンガポール就職、日本の大学卒業で英語圏はイギリスの大学1年交換留学してただけなはずなのに自分はネイティブとの意識。実際すごいけど)と話しているとき、「えー、英語ビジネスレベルとか英語上手いって言われるのは英語下手って言われてるのと同義語だよ。そんなこと言われたくない~。」とその女性は言っていました。別のトピックでしばらく間が空いて「僕なんかまだコミュニケーションくらいだから」と言ったあと、「 あ、あなたは英語ビジネスレベルでやってけるから自信もっていいよ!」と言われました。そうね、ビジネスレベルは下手って意味ね。

もうね、本当。楽しくなるよ。

日本人の中では○○出来る方という感覚は捨てて、国際基準で見ないといけないという教訓です。反対に考えれば自分が○○語のネイティブ話者だと思っている人に対して「○○語上手いね」なんて失礼ですもんね。

以上です。


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