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【人事労務的視点】定員オーバー状況を考える。【業界あるある】

以前から記述しているように、私は顧問先の一つである学習塾さんからの依頼で、問題が発生した場合にお手伝いをしております。

そして、この夏・夏期講習でも少々お手伝いをすることになりました。

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しかし、今回は、前回までのようにマイナスの問題が発生した(=新任の教室長がイマイチ頼りにならない)という訳でなく、ある意味プラスの問題、つまり、夏期講習で申し込んできた生徒があまりにも多く、講師が足りない&若手講師のまとめ役が必要、ということでお手伝いに行く予定です。


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以前も記述しましたが、その学習塾は地域内で上位の進学実績を上げているため、毎週のようにチラシを入れ込まなくとも口コミで塾生が集まるような、地域に根付いている塾です。

教室面積はあまり大きくなく、10~20人程度が授業出来る教室が4つと、教師控室と自習室が一緒になった部屋が一つという、大体80人前後が在籍することが出来る小・中規模学習塾なのですが、今回の夏期講習に何と50人弱も応募があり、在籍塾生と合わせると120人超集まった状況です。

上記を読むと、商業的には良いと考える方が多く羨ましいと感じるかもしれませんが、学習塾運営的・人事労務的には小さくない危うさが隠されています。

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『発生可能性のある問題点』

1.塾生のケガ


以前、この件についても記述したことがありますが、

多くの学生が集まると、しかも夏休み中という普段とは違う状況も相まって、テンションが高めになりますし、さらに、今回のように小さい教室にキャパオーバーな学生が集まるので、対物・対人でケガにつながる可能性が高いです。

それを防ぐためには、ある程度、大人の目を塾全体に行き渡らせる必要があり、講師人員の増加は必要不可欠です。

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2.学力別クラス分け・自習室問題


多くの塾で行っていることだと思いますが、各学年ごとに模試や学校の定期テストの結果で、一学年3~4クラス編成にしていると思います。

これは、同じ単元や内容を授業していても、学力によって受け取り方・理解のスピードなどが違いますので、なるべく同じ学力の塾生をまとめて授業することは、とても良い取組みと思います。

私の経験上、偏差値が5程度の幅でクラス編成をすべきですが、あまりに塾生数が多いと、やむを得なく学力の幅が広いクラス編成になってしまいます。

今回は何とか収まったようですが、クラス編成が上手く行かないと、夏期講習の成果が上がりづらくなってしまい、合格実績の低下や塾の悪評判に繋がってしまいます。

また、夏期講習など講習中は、自習で学習塾を利用する塾生も多いですが、この場合も、塾生が多すぎると自習室の雰囲気が良くない(賑やかになってしまい、学習する雰囲気にならない)ことが多いです。

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3.欠席フォロー(振替え)問題


夏休みには志望高校の学校見学会・各家庭での行事・学校部活など、様々な理由で授業に参加出来ない塾生が発生してしまいます。

本来でしたら、そういった生徒は、「自身の理由での欠席ですから何もしない」ということが建前なのですが、ほとんどの塾で振替授業を行います。

そうなってしまうと、ただでさえ狭い教室・少ない講師なのにも関わらず、新しく授業を組み入れなくてはいけませんので、様々な問題が発生しがちです。

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1.については、塾生の肉体に関わることなので、病院が関わるほどの大問題になる可能性がありますし、2.3.については、(たとえ、塾生が納得していたとしても)保護者からのクレームにつながる可能性が高いです。

定員オーバー状況は、短期的には、売上が上がるなど良い側面が目立ちますが、長期的に見ると、上記のように不満やクレームにつながり易いので、出来れば避けなくてはいけません。

ですので、本来であれば、1~3のような問題点が発生する可能性を低下させるために、塾生の受け入れ制限が必要になるかもしれない、ということは顧問先に伝えましたし、同じ状況にある学習塾の方も同様に考えなくてはいけないかもしれません。

しかし、今となっては対処療法で何とかしなくてはいけないということで、私も(気分的にノリノリではありませんが)進んでお手伝いをしてこようと思います。

まあ、学生と交流すると良い刺激を受けますし、もしかしたら記事のネタにもなるかもしれない、というのは期待としてあります。



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今回の画像は【谷 圭祐】さんからお借りしました。ありがとうございます。

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