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猪の肉味噌入りキンパ、九節板、牛すじと大根の薬膳スープ。

朝起きると結構お腹が空いていて、キンパが食べたくなったので早速冷凍の黒米ご飯をレンジで温める。フライパンでオリゴ糖入りの炒り卵を作り、温まったご飯にレモン汁、塩、胡麻油を加えて軽く混ぜ、巻き簀に海苔を置いてご飯を薄く広げ、作り置きの人参ナムルと牛蒡の金平、猪の肉味噌、炒り卵を乗せてくるりと巻いたらキンパの出来上がり。黒米ご飯にレモンを混ぜるとご飯が桜色に色付くし、気を巡らせてくれる柑橘の香りがご飯からほのかに香って気分が良い。人参と牛蒡の程よい歯応えも目をしっかりと覚ましてくれる。

今日は月に一度の韓国料理の個人レッスンの日。今出川駅前のコメダ珈琲で珈琲を飲んでから地下鉄で京都駅まで移動し、そこから徒歩で東九条の先生のアトリエへ。今回のメニューは宮廷料理の定番・九節板。技術的に難しいメニューではないものの、一つ一つ丁寧な作業の繰り返しなので、いつもより気合を入れて先生の説明に耳を傾ける。胡瓜、もやし、干し椎茸、海老、白身、黄身、牛肉、人参をそれぞれ色を保ったまま炒めたり焼いたりした後に、ホットプレートで小さなクレープを何枚も焼いていく。九節板用の器に出来上がったものを一つずつ装っていき、最後に真ん中にクレープを重ねて入れた瞬間、まるで美しい絵画のパズルが完成したような高揚感を感じた。世界中で家庭の料理がどんどん簡素化してく中で、まるで時代に抗うように学び始めた韓国伝統料理だけど、手間のかかる昔ながらのキムチにしろスープにしろ、豊富な栄養でそれとご飯さえ有れば完全食になり得るものが多く、高額のサプリメントを買ったり高い化粧品を買ったりするよりも、結果的にコスパも効率も良いものが多いと思う。

レッスンの後、家に帰ってからまとめ買いしてあった本を何冊か少しずつ読み、軽めの夕食を作るためキッチンへ。解凍した牛すじとその茹で汁を鍋に入れて火にかけ、銀杏切りにした大根、西洋人参、当帰、桔梗の根、ニンニクを加えて1時間ほど煮込む。四十代に入ってからは、一人の日の夜はこうした潤燥&補気食材を中心にした薬膳スープとご飯などで軽く済ませることが多くなった。若い時より代謝も内臓の力も衰えているので、週に一度くらいはそういう日があると調子が良い。夕食後、来週ソウルに行く際に周りたいお店をNAVERマップを見ながら幾つか選ぶ。伝統茶、お粥、漆入りの鶏スープ、羊串、清麹醤、朝鮮人参の天ぷら…。今回は体を温めてくれる養生食を色々と食べ歩くつもりなので、あまりダウンコートに下にはあまり厚着をしないように気をつけないと。とりあえずいつも泊まる駅徒歩5分のサービスアパートメントではなく、寒さに日和って駅直結のホテルに泊まることにした。

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