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米粉とヨーグルトのマフィン、イチボの焼肉、梅のおにぎりの日。

珍しく朝から外出する夫が玄関のドアを閉める音で八時前に目が覚め、顔を洗ってからキッチンでボウルに卵二つ割り入れ、たっぷりの黒胡麻ペーストとオリゴ糖を加えて適当に混ぜ、真っ黒なオムレツを焼く。とりあえず軽く空腹を満たした後、手早く身支度をして京都の家の鍵をリュックに放り込み、家を出て品川駅へ。港南口の方のCITY BAKERYで米粉とヨーグルトのマフィンとホットのカフェラテを買い、京都に向かう新幹線に乗り込む。お弁当の匂いが充満する車内が苦手なので、いかにお弁当を食べる人が少ない時間帯に乗れるかが私の中での勝負どころだ。匂いの少ないサンドイッチなどパン食を食べる人が多い午前中か、あとはお弁当よりお菓子の割合が高くなる午後二時から五時の時間帯をいつも狙っている。いつものようにYouTubeやTverのバラエティ番組を観ているうちにあっという間に名古屋を過ぎ、慌てて小腹用に買って来たマフィンを食べる。

京都駅に着いた後、明後日YouTubeのレシピ動画の撮影があるのでそのままスーパーに買い出しに行く。地下鉄烏丸線に乗って鞍馬口駅で降り、駅前の鞍楽ハウディで鰯、セリ、人参、玉ねぎ、レモン、あとおやつ用のコロッケを買って帰宅。食材を冷蔵庫に入れた後、いつものように窓を開けて家中を軽く掃除し、加湿器の水を入れる。二つの家を二週間ずつ行き来する生活を始めてもう七年。どっちの家にどの洗剤が足りなくて、どっちの家に何の服があるのか未だに勘違いして同じものを買ってしまったりしている。最初はセカンドハウス的な意味合いになるはずだった京都の家が、今はもうどちらもファーストというか、過ごす時間も気持ちの面でも全く同じ比重を置くようになった。それくらい京都は住み易く、おまけに飽きが来ない。

諸々済ませて夕方日本茶を飲んでひと段落着いてから、予約してある焼肉屋に行くため六時頃家を出る。新町高辻を下がったところにある「七輪焼KANEKO」に入りカウンターに座って周りを見渡すと、ほぼ満席の店は私以外全員韓国からの観光客だった。ふと、昔韓国人の友人夫婦が日本の焼肉が大好きだと言っていたのを思い出す。個人的にはあっちで食べる韓牛の焼肉も相当美味しいと思うけど、店員さんが肉を焼いてくれるケースが多い韓国の店は、彼らにとっては慌ただしく感じるそうで、マイペースでのんびり焼いて食べる日本の焼肉のスタイルが落ち着くと私に説明していた。ちょっと前までは通りすがりでも入れたこちらのお店も、今では数日前までの予約が必須の超人気店に。ひとまずミスジやシンタマ、ハラミ、ミックスホルモン等を注文し、七輪と向かい合ってひたすら焼いて食べていると、店のドアが開いていつも行くレストランのオーナー夫妻が入って来た。意外なところで偶然会えた嬉しさと、彼らの大切なプライベートを邪魔してしまったような気持ちが同時にやって来て、軽く挨拶をした後なるべく二人の会話を耳に入れないようにしてさっさと肉を食べて店を出る。その後上七軒の「Deico」で白ワイン二杯とシェリーブランデーを一杯飲んでから家に帰り、小腹が空いたので小さな茶碗一杯分の冷凍の黒米入りご飯を解凍し、梅干しを1/3だけ削って入れた小さなおにぎりを作って食べる。


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