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黒胡麻のお粥、海藻フィナンシェ、茹でた山羊肉の日。

数日前に韓国・ソウル入り。今は旧正月直前。マイナスの寒さを予想してフル装備でやって来たにも関わらず、毎日拍子抜けするほどマイルドな天気だ。それでも夕方を過ぎると冷え込んでは来るので、なるべく補腎&補陽するメニューを中心に食べ歩いてはいる。今日は午前十時過ぎに二村駅近くにあるお粥専門店「한뿌리죽」本店に入り、補腎と潤燥に良い黒胡麻のお粥をブランチとして注文。ここは店内で精米したてのお米や厳選した素材を使ったお粥が人気のお店で、店内のイートインスペースは狭いものの次から次へとテイクアウトの宅配ドライバーが商品を受け取りに来る。こちらの黒胡麻粥はよくある長時間加熱し過ぎて糊状になったものではなく、香ばしい黒胡麻が香るサラッとした仕上がり。こういうシンプルな料理ほど、材料の良さと手間暇がダイレクトに伝わってくる。

二村駅から地下鉄4号線に乗って会賢駅まで移動し、新世界百貨店の地下をぶらぶらした後、今度はバスに乗って西大門駅の西側にある独立門霊泉市場へ。会計をするお客さんに「새해 복 많이 바드세요」と新年の挨拶をするお店のハルモニたちの声が、すでに新年を迎えてしばらく経った国から来た私に、もう一度年末の空気を感じさせてくれる。南瓜のお餅と小豆のお餅、荏胡麻油、唐辛子の粉末を買ってから、5号線でホテルのある孔徳駅に移動し、ホテルの裏のフィナンシエ専門店「Fluffy Bake Shop」で、甘塩っぱさが美味しい감태という海藻を使ったフィナンシェとブルーチーズのフィナンシェを買って部屋に戻る。部屋でドリップバッグのコーヒーを入れてから青のり味のポテトチップスに似た風味の海藻のフィナンシェを食べ、Google Mapを見ながら来月数年ぶりに行くパリのお店をいくつかチェックする。

お粥とフィナンシェしか食べていないからかすぐにお腹が好き、夕方六時前にホテルを出て地下鉄に乗り江南エリアへ。山羊肉の専門店「논현골 흑염소」に入り、山羊のスユクを注文。子供の頃から羊の肉は好きだったけど、沖縄で美味しい山羊肉を食べてから山羊も好きになった。どちらも体を温めてくれるので、冬の養生にはぴったりの食材。沖縄ではヨモギと一緒に食べたけど、韓国では茹でたニラや玉ねぎの酢醤油漬け、春菊と一緒に食べるので、更に補陽&理気効果があると思う。こちらのお店は一人で行ってもお母さんが量を調節してくれるので、私のような一人客でも気兼ねなく入れて嬉しい。山羊料理をつまんで焼酎を飲み「ッカァ〜」と唸っている地元のアジョッシたちを横目に、そのお肉の旨さに私も心の中で「くぅ〜」と唸る。控えめに言っても最高だ。

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