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キャッチャーインザライ(村上春樹訳)

読み終えたので私なりの感想。

最後の回転馬車のシーンが印象的だった。妹とのやりとりは大げさなものではなく日常の中で起こり得るような出来事だった。でも、そんなささいな出来事で人が少し成長したり、人生の方向性が変わったりするリアルさがあった。

なんだかんだで学校を卒業してまっとうな人生を送るというその後を感じさせるラストだった。そっち側、に対する反抗心をかかえた少年自身も成長しこちら側に来て、「あの頃は若かった」と回想するような大人になる。23歳の私からすると、それは視野が広がって自分を客観視できて、成長できた、ということのように思える。でも主人公のような葛藤を抱えていた18歳の頃に読んだら、「お前もつまらない大人になっちまうのか」みたいな感想を抱いたのかもしれない。もっと大人になってから読んだら、どんな感想を持つんだろうか。

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