【書評】武器としての交渉思考

【書籍名】
「武器としての交渉思考」
http://amzn.to/2p4lrjV
作者: 瀧本哲史
出版社/メーカー: 講談社
発売日: 2012/06/26


これは僕が数々読んできた営業Tips本の中でも神本の1つだと思っています。

(言わずと知れた?)元マッキンゼー瀧本氏の「武器としての〜」シリーズの中でも傑作です!

この本に関しては、「いいから読め!」と言いたいのですが笑、ポイントだけ紹介します。

■「ロマン」と「ソロバン」
ここで言うロマンとは、胸を熱くするような夢やビジョンのことです。
ストーリーとも言い換えられるかもしれませんね。
発端としての熱くなるような夢やビジョンがなければ、誰も動いてはくれません。

一方で、「ソロバン」とは、「ロマン」を達成するための手間や労力・時間や金銭のことです。

大きなビジョン(ロマン)と、それを実現させるためのコスト計算(ソロバン)を両立させることが非常に重要と説いています。
「すべての現実の変革には、ロマンとソロバンの両立が必要である!」


■「バトナ」は最強の武器
バトナって聞きなれない言葉だと思いますが、
「Best Alternative to a Negotiated Agreement」の略で、BATNAだそうです。
直訳すると、「相手の提案に合意する以外の選択肢のなかで、最も良いもの」

???って感じかと思いますが、要するには、「事前に強力な次善策を用意し、上手に使いましょう」ってことかと思います。

例えば、「使わなくなったPCを売る」というシーンを想像してください。
まずはじめにA店に行ったところ、8万円との値付けをされました。
(この時点では、バトナが存在しません。)

次にB店に行ったところ、9万円との値付けをされました。
(この時点でのバトナは、A店に8万円で売ることです。)

最後に9万円以上の条件をつけて、ネットオークションにかけたところ、
10万円で買うというCさんが現れて、無事高値で売却できました。
(この時点でのバトナは、B店に9万円で売ることです。)

これは選択肢を多く持てば持つほど、バトナが強くなり、最後にはバトナを上手く使って高値売りに成功した例です。

最初A店に行った時にはバトナが全くない状態でしたので、もしA店に売る以外の選択肢が見つからなければ、泣く泣く8万円でPCを売っていたことでしょう。

この例のように、交渉の場所では、準備段階で強力な次善の策を持っていればいるほど、優位な立場で物事を進めることが可能です。
※逆を言うと、他の選択肢なしで交渉事に臨むのは負け戦です!

紹介はこのぐらいにしておきますが、このようなエッセンスが驚くほど濃厚に詰まった良本です!

ビジネスの場において「交渉」という試合は、形は様々なれどいたるところで行われています。
これは社会の中で少し賢く戦っていくための大人の教科書だと思います。


【書籍名】
「武器としての交渉思考」
http://amzn.to/2p4lrjV
作者: 瀧本哲史
出版社/メーカー: 講談社
発売日: 2012/06/26

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