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駐在日記:まもなく、まもなく

「まもなくビザが発給されますのでお待ちください」

という言葉にひどく安堵した自分が甘かった。

ここは、ドイツ。

この「まもなく」が全然「まもなく」ではないことは、今までも経験してきたはずなのに。

給湯器が壊れた時は「すぐ治す」が一週間半。

歯医者の請求書が来なくて確認しに行った時は、「もうすぐ出す」が一ヶ月半後。

ドイツのアメリカ大使館の「まもなく」がどれくらいなのかがわからないが、きっと日本よりは早くない。

私より遅く日本でビザを申請した人が3日程度でビザ受け取りまで進んでいるのを横目に、私はいつまでもジリジリと待っている。

誰かにわめきちらしたいくらい焦っていて、不安で、自分で自分を責めている。

エージェントは、

「私たちは自分の仕事をしたから、これ以上催促されてもどうにもできない」

という返答で(これもよくあること)、泣こうが喚こうが、私は待つしかないのだ。


そもそもなぜこんなにビザがでないのかというと、大使館の人が必要書類を勘違いしたから。

これも自分の過失じゃない分、余計にイライラする原因になっている。

この書類がないからビザ発給しないと言われた時には目の前が真っ暗になったし、

その後エージェントからその書類は必要ないと言われて、膝から崩れ落ちた。

大使館に連絡をとっても数日繋がらず、ようやく返事がきたのが一番上の「まもなく」

自分たちの手違いだから優先しよう、なんて奇跡が起こっても思いつかないないだろう。(間違えたのは事前チェックの人で、本審査官は関係ないから)


台風の時に並ぶ人を見てもう少し優しい社会ならなと思いつつ、ドイツの件では早くしてーと急かしているのだから、矛盾しているのかもしれない。

身に染み付いた効率至上主義、スケジュールをキチキチに詰めてしまう性格は変わらないようだ。

今後は他の人に何を言われても、マネージャーにどれだけ急かされても、「取らぬ狸の皮算用」で赴任予定は立てないと誓う。


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