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「DX化」を100段階で把握する

こんにちは、noteコーディネーターの玉岡です。
突然ですが、みなさんはここ最近「DX」という言葉を目にしていますか?

デジタルトランスフォーメーションという言葉が社会を席巻し、解説書やセミナー等が急増した時期は、コロナ禍によるリモートワークの浸透と同じようなタイミングでした。経済活動の再稼働に伴い、DXに関する車内広告等を目にする機会も減ってきたように感じます。

しかし、改めてDXの定義から実装方法、課題設定までを説明することは大変難しいものです。社内で「DX推進タスクフォース」的チームが立ち上げられたはよいけれども、立ち上げ止まり、などという話もよく聞きます。

今回紹介する「図解 DX時代のPLM/BOMプロセス改善入門 デジタル化 段階別課題解決のアイデア100」は、まさにDXの定義、デザイン、実装、推進方法までを網羅した書籍です。


1 鍵となるBOM

DX推進の鍵概念として、本書ではBOMを設定します。

BOMとは「Bill of Materials」の略 で、製品を構成する部品 リストのことで ある。設計や生産管理、 サービスで利用される E-BOM、M-BOM、S-BOM について解説する。

BOMは、製品を構成するアセンブリや部品を定義したデータベースである。製品の規模や構造により複数階層になることもあり、製品以下に複数のアセンブリや部品が構成されるイメージだ。

本書第2章「BOMとは何か?」

BOMは「商品企画、見積、設計、生産管理、購買、製造、保守など、さまざまな業務シーンで利用される製品構成を表現するマスター情報」と定義されており、DXの基盤となる情報です。

サプライチェーンの流れに沿い、本書では特に「設計/技術(E-BOM)」「購買・製造(M-BOM)」に章を割き、それぞれのBOMを解説していきます。

2 「ドキュメント管理」から始めよ

BOMを説明する各章の前に、本書は「ドキュメント管理」をまず押さえます。社内イントラ/社外クラウドを問わず、業務成果物を保存・更新する行為には必ずドキュメント管理の側面があります。
実際のところ、この「ドキュメント管理」のみで構成された類書もたくさんあります。
日常業務で「目的のファイルがどこにあるか分からない」「ファイルが先祖還りした」的なトラブルに悩んだことのある方なら、実感を伴って学べる章だと思います。

3 「ナレッジ共有」できていますか?

4,5章では「設計におけるBOM」「購買・製造におけるBOM」が展開されます。詳細はもちろん本書にゆだねるとして、第4章では「ナレッジが共有できない」からはじまり、設計段階でブラックボックス化しがちな情報を体系立てて共有する手順を解説します。

4 業界別のコンプライアンス対応

他のDX書籍と比して、本書の大きな特色のひとつがこの第9章です。製品やサービスのライフサイクルをDX化することは、従来のワークフローにおける問題点を棚卸しする作業でもあります。特に、法令改正による規制強化への対応は、現代においてどの産業にも求められるアクションです。
この章では「自動車開発」「化学物質管理」「医療機器開発」を実例とし、それぞれの課題と管理方法を解説しています。

5 DXプロジェクトを成功させるために

まとめとなる第12章では、DXの社内スタートからプロジェクト運用、効果測定までの流れを抑えます。
特に、「98. ユーザ部門を味方につける」は必読です。

従来業務をDX化するためのノウハウを、本書では100の工程にブレイクダウンします。上流から下流に沿って細分化された各工程は、目次を眺めるだけでも頼もしさが湧いてきます。
自社のDX状況を改めて見直そうと思っている方も、これから取り組む状況にある方も、ぜひ一読されてみてください。

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