2023年 わたしの読書録



2023年に読破した冊数は再読含めて13冊(たぶん)
自分への備忘録を兼ねて振り返りしていく。


◆三島屋変調百物語シリーズ1~5/宮部みゆき

11月頃から私の中で宮部みゆきブームが再燃して三島屋変調百物語シリーズ5作目まで一気に読んだ。やっぱり宮部みゆきはおもしろい。

とくにシリーズ2作目の表題にもなっている『あんじゅう』は紫陽花屋敷に引っ越してきた老夫婦とあんじゅうが少しずつ心を通わせていく様子がほほえましいだけに、別れが切なくて胸が締め付けられ、それでも読了後はほんわかした余韻の残るだいすきなお話だった。

シリーズを進めるにつれて聞き役のおちかの心情の変化が出てきているところもたのしめた。ショッキングな出来事から立ち直れず最初は自分の殻にこもっていたおちかが、黒白の間で語られる様々な話に触れる中で、つらいのは自分だけでは無いのだと気づきを得て、少しずつ外の世界へと踏み出していく成長っぷりに勇気づけられる。

シリーズ5作目でおちかは嫁いで百物語の聞き手の勤めを終えたので、次回作から始まる聞き手・富次郎ではどんなお話が語られるのかとてもたのしみ。

宮部みゆき作品は元々大好きだけど、久しぶりのマイブームになったのは電子書籍で読めたのが大きい。一度おもしろさにハマってしまえばあとはこっちのもんで、紙媒体でもなにがなんでも早く続きが読みたい!になる。先日、図書館へ行ったら6.7作目が貸出中になってて残念だった。年明けに借りて読み始めたい。

◆猫のお告げは樹の下で/青山美智子

9月末に読了。

タラヨウの木の下で出会えるふしぎな猫みくじが悩める人たちそれぞれに合ったお告げの言葉を授けるというコンセプトがそもそもほっこり。かわいい。

オムニバス形式でひとつひとつのお話が長すぎずさらっと読めたのも私にはありがたかった。(長編小説も好きだけど年々読むのに体力いるなと感じるようになったため…)
読み進めていくと、あのお話とこのお話の登場人物たちがここで繋がっていたんだ!となるのがおもしろい。

青山美智子さんの作品は昨年の本屋大賞にノミネートされていた『赤と青とエスキース』も大好きで読了後すぐに2週目読んだほど。オムニバス形式で少しずつお話の登場人物がつながっていく感じは似ているなと思った。こういう読み進めるごとにたのしさが増していく構成好きだ。

この作品を読んで「葉書」という言葉の由来を初めて知った。元々はタラヨウの木の葉っぱに文字を書き付けていたから、葉に書くで葉書だったのか。いつか私もタラヨウの木見てみたいな。みくじに会えるかな。

◆半径5メートルの野望/はあちゅう
  夢をかなえるゾウ/水野敬也
  嫌われる勇気/岸見一郎,古賀史健

これまで生きてきた中で最も私の人生に影響を与えた1冊はまちがいなく『半径5メートルの野望』。
初めて読んだのは6年ほど前か。あの時の衝撃は鮮烈に覚えている。
それまで自分の人生に満足していないけど、すべてその不満の原因をすべて周りのせいにして自分の人生と向き合ってこなかった私にとって痛烈に「自分の人生」や「これからどんな人生を送りたいか」を考えさせてくれた1冊。

数年ぶりに再読して驚いたのは、自分の言葉のつもりで発していた「自分の選択を正解にしていくのは自分だけ」「世の中に認められるこよりも、自分で自分を認めてあげられることのほうがよっぽど大事」これらの言葉が本文の中に散りばめられていたこと。

初読の時、自分の人生を変えたい一心でとにかくここに書かれている言葉を実践して行こうというら思いひとつで少しずつ実行に移していった。
時間はかかったけど今、この本を初読していた頃に思い描いていた理想の生活を送っている。

改めて読み返してみて、私の言葉の源泉はこの本だったのだとたくさん気づきがあり、ここに書かれていることを我がこととして実践できた自分を誇りに思えた。

ほか2冊も同じ。
夢をかなえるゾウは初読が高校生の頃で、当時いまいち主人公に感情移入できずになんとなく読んでいたけど今読み返すと全然深みが違う。
嫌われる勇気も同じ。何度読んでも新たな気づきがある。

新たな発見があると同時に、この言葉を自分のモノにして実行できていたから人生が動き始めたんだと感じるところが多く、どれも読んでいて己の内面の成長を感じれたのが嬉しかった。

感想割愛で読了した本
◆荒地の家族/佐藤厚志
◆手紙屋~蛍雪編~/喜多川泰
◆生きるとか死ぬとか父親とか/ジェーン・スー
◆父の詫び状/向田邦子

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ほかにも読んでいる本はあるけれど、ひとまずこの辺にしておこう。

総括としてはもっと小説やエッセイを読みたい1年だった。環境が大きく変化した1年ゆえに読書に没頭している時期と全くしない時期との落差が激しく、読めてる時と読めてなかったときの落差がすごくはっきりしていた。

2024年はまず、三島屋変調百物語シリーズの続きを読みつつ、仕事に役立ちそうなビジネス書も読みたいし、心のビタミン的な感じで優しいエッセイや小説も読みたい。
なんにせよ2023年よりもたくさんの本と出会いたいな。今年は転職一年目であまり本を読めない時期もあったから。

来年も気の向くままに自分のために読書楽しんでいきたい。

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