見出し画像

社会のルールもラベルも同じ人間が作ったもの

スタートアップにおいて、広くとらえると社会人においても、この発想があるとないとでは行動が随分変わってくると思う。

そして当然だが、ラベルは人の創造物だ。サッカー選手もサッカーというスポーツが考案されるまで存在しなかったし、それが商業スポーツになるまでそもそも職業ではなかった。…(中略)…つまり、全ての始まりは自分と同じようなちっぽけな「生身の人間」が作ったに過ぎないということ。(ミレニアル起業家の新モノづくり論|仲暁子)

世の中にはその背景は忘れさられていたり、あいまいだったりするけど、多くの人が信じているから暗黙のうちに機能しているような、考え方、ルールみたいなものが存在している。

上記の「サッカー選手」のようなラベルは、概念を理解するうえで助けになるけど、そのラベルは誰かが長い時間をかけて作った現在の姿であって、未来永劫変わらないものではない。

ラベルに気づいたある出来事

僕がラベルに気が付いたのは、大学3年生のある出来事がきっかけだったと思う。当時僕は、大学の中古教科書のせどりをしていて、収益を途上国の奨学金にする活動を行っていた。

中古教科書のせどりを行うと、新規発行の教科書が売れにくくなることから、所属大学とは利害がかみ合わず、大学内での活用は許してもらえなかった。大学からは、「前例がないから」とか「生協との折り合いがつかないから」と交渉は難航していた。

それでも今までの実績を全開示し、法律との関連を言語化し、僕らがやりたいことをプレゼンした。大学職員の方との関係づくりにも奔走した。4か月にわたる交渉の末、大学内での活動はおろか、露店用のテントなど資材の貸し出しを含めて、全面協力していただけることになった。

前例を変える体験がもたらしたもの

活動を始めたころ、周りに協力的な人はほとんどいなくて、一緒に活動を始めたメンバーも全員辞めていった。それでも人を巻き込んだ小さな原体験から、様々なことを教わった。

1)人は論理的な部分以上に、誰が言うかで動くこと
2)信頼を勝ち得るには、普段の一挙手一投足が肝であること
3)社会のルールは基本的にすべて可変であること

ビジネス書を読めば、どれかは書いてありそうな当たり前のことではある(もはや当たり前すぎて飛ばしてしまいたくなる)が、社会人になる前から基本スタンスとして、自身の中に備わっていることだと思う。

そんな暗黙のルールに挑戦する

2020年4月から、オンライン型転職エージェント「ジョブクル転職」のマーケティングにかかわらせていただいている。コミュニケーション戦略はもちろんのこと、プロダクト自体もまだまだできるサービスだと思う。

詳細は割愛するが、人との出会いと、どういった共同体に所属するのかは、人生の幸福度を大きく左右すると思っているのに、20代を中心とした(経歴と専門性が薄い)若手の転職市場においては、このマッチングがうまくなされているとは言えない。

例えば、若手の未経験採用では、学歴や所属会社の社格がマッチングに使われたりする。これが高いと確かに優秀な人材に出会える可能性は高くなるが、逆にいまいちでも、仕事のスタンスがすぐれている人や、会社との利害を理解すると力を発揮できる人もいる。

きっとその昔、生産年齢人口が増えていた時代の、そしてモノ不足で作れば売れた時代の名残なんだと思う(いずれもバブルの前)。そのモノサシは時代遅れなったものの、アップデートしきれていない。

そのために求職者心理や特性のデータは必要だけど、人の解釈も欠かせない要素だと思う。今までの採用における当たり前を変えに行けるような、優れたサービスを送り出したい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?