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【仕事・マネジメント】レビューする側・される側

レビューできる人が成果物をちゃんと作れるとは限りません。

作ることとレビューすることは違う

あるマネジャーさん(Aさんとします)は新規系のサービスのプロジェクトを幾つか受け持つチームのマネジャーさんで、それらのビジネス仮説など成果物をレビューしたり判断したりする立場の方でした。たまたまそのAさんが自分でもプロジェクトをもつことになり、自分でビジネス仮説を作る必要があり、その練習をお手伝いしたことがありました。

既に幾つかのプロジェクトでビジネス仮説をレビューしている立場の方なので、そこまで練習が必要かなと思っていたのですが、実際やってみると出来ていない部分が多く、壁打ちなどで仮説構築のレクチャーをそれなりに行うことになりました。

この話を自分のマネジャーにしたところ、「確かに作るとレビューするのでは、活かされるスキルが違うからねえ。レビューできるから上手く作れるとは限らないよ」とのこと。

勿論、技術など専門性の観点だとレビューする側より作る側の方が秀でていて、レビューする側としては専門領域の知識があるなら別ですが、基本的には誤字脱字や全体の整合性、ビジネス成立のロジック、その他周辺にある様々な事情やリスクを踏まえてのレビューを行うでしょう。

ただ、今回のは練習問題でそこまで専門性が不要で、どちらかというと全体の整合性やロジックの部分を上手く作れるかどうかだったのですが、実際作る側に回るとレビューができるからといって作れるわけではないということが実際に起きたという印象です。

本人も自覚していた

この練習、実はAさん自ら手を挙げてくださって参加してくれました。
Aさん曰く、「自分でもプロジェクトを起案するとき、自分で作らないといけないがそれがうまくできる自信がない」「確かにメンバーのレビューはできるけど、自分で作るのは勝手が違う」とAさん自身もレビューする側とされる側(作る側)の違いを認識していました。

その違いを認識していたからこそ、練習に自ら参加されたのです。
私はそれ自体を自らが認識できていたことがすごいなと感じました。
マネジャーになってほとんどレビューする側にいると、まず自らまた実プロジェクトをやろうという人はそこまで多くはないですし、そのときに自分に何が足りていないか、足りてない部分を埋めるために練習する機会があればそれに参加しようという意思を持てる人も多くない印象です。

とても謙虚で前向きなAさんのチームは他の方も同じように謙虚で前向きだったので良いチームだなと私は感じました。(実際、成果に繋げていく動きも良くできていましたし)

さすがのマネジャー視点

実際練習をしていてロジック構築や整合性の面ではまだこれからという感じではあったのですが、物事の見る目や切り口、観点という点では色々メンバーのレビューをしてきている人だからこそというのを感じた部分はありました。

同じ練習をAさん以外の人にも行っていたのですが、Aさんだけが多角的な視点でビジネス仮説を作れていた印象です。

そこで感じたのは、レビューはする側だけをずっとやっている、される側(作る側)だけをずっとやっているのだとアンバランスになりそうだなと。
そう思うと、マネジャーやメンバーという関係というより、レビューする側・される側というのを色んな人と相互にやりあって、見る視点も作る視点も両方鍛える必要があると感じます。立場を行き来することで、人は広がりのあるスキルを得られるのです。

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