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【仕事・マネジメント】そもそもそれは、誰がやりたかったのか?

主体性のないプロジェクトは、進むこともなく・止めることもなく…

主役が不在のプロジェクト

いろいろ分かっちゃうとマズイので具体的には書けないのですが、私の身の回りにあるプロジェクトで、「それ、誰がやりたいの?」「誰が主役なの?」と感じるプロジェクトが幾つかあります。(社内プロジェクト、社外とのコラボプロジェクトともに)

一応、誰がリーダーというのはあるようですが、全体のグランドデザインができているわけでもなく、それを誰かがまとめて引っ張るわけでもなく、リーダーというより、せいぜい窓口みたいな位置づけの人がいる程度で主体的に動かしていく感じはしません。

その割に、何故か妙なやる気だけはあるのですが、それと行動は伴っていないため、何週間も状況は変わらなかったり、コミュニケーションとしても活発とは言えません。コミュニケーションについては会議体でなくとも、メールやもっと頻度高く非同期コミュニケーションするならSlackなどでコミュニケーションの接点は開通しているようですが、あまり動きはないようです。

主役不在のプロジェクトは、何が問題だったか?

私もメインで入ってるわけではないのですが、起きている状況を聞く限りでは以下のような問題があると考えました。

上層部でやると決まってしまっている

大きな会社ではありがちな、上層部の人がやると決めて、そこに担当を割り付けて進めているプロジェクトです。特にありがちなのは、社外とのコラボレーションで、上層部同士で顔見知りで、なんとなく「一緒にやりましょう」というザックリした決め事で始まり、担当者はその上層部から指名されます。
当然、担当者は自分ごとにはなっていません。(それは相手も含め)

だいたいこのパターン、長引くと組織や体制変更で言い出しっぺの上層部の手元から離れていくと、「これ、なんのためにやってるんだっけ?」という状態に陥りやすいです。
かといって、上が言い出している話なので止めるに止められません。
下手に止めると「俺の顔に泥を塗るのか!」と言いかねないからです。

骨子や憲章がない

先の上層部で決まってしまった場合にもよくありますが、プロジェクトとしての骨子や憲章がない場合も何をやっているかわからなくなりがちです。
そこそこちゃんとプロマネをやってきている人なら、まずそこを固めようという頭が回るのですが、そういう経験の無い人・専門性では無い人がなんとなくリーダーとなると骨子や憲章をまとめず、まず動きましょう!という流れになりがちです。

それに実際の動きに早く持っていかないと、いろいろ集められてしまった関係者の出番もなかなか来ないですし(遊ばせておくなと言われる)、最初の方は上層部も気にかけてあれこれどうなった?と聞きたがります。
もちろん、検討や計画・企画ばかりで実際の動きになるまで遅くなるのは問題ですが、決めておくことは必要です。特に社外とのコラボ系はここをしくじると、止めるに止められない、何をゴールにしていたのか?など迷子の原因になります。

立場が違い、期待値が合わない

社外とのコラボ系のプロジェクトで気をつけなければいけないのは、リーダーや窓口になっている人とその人が引き連れている部隊が、どのような責務や機能を持つ人達なのか、をちゃんと把握しておくことです。

もし、お互いがフラットでWin−Winなコラボレーションを期待しているのであれば、同じ立場同士か、もしくはプロジェクトの中身を社内に持ち帰って事業戦略やパートナー戦略の観点まで社内で認知させて、戦略的に組んでいけるような人や組織の人が主体的に関わっている必要があります。

相手側が営業部門であり、単に製品やサービスを売ったり、代売してもらうだけのチャネルを期待しており、特にお互いコラボレーションして新しい事業やサービスを生み出したいわけではなかったというケースであったり、自社技術やアセットを使ったコラボレーションを期待していたら、単なる開発業務先みたくアプリやサービスを1つ作って検収したらそれで終わりのようなケースもあります。

それでも何とか成果アピールしないといけないため、恥ずかしげも無く「コラボレーションによる戦略的パートナーシップ!」なんて言ってしまうと、目も当てられません…

では、どうすればよいか?

骨子と憲章はもちろんつくる、速く動きたければアジャイルに

迷わないよう、ちゃんとアンカーにする役割としてプロジェクトの骨子や憲章はちゃんと作りましょう。
つくるのに時間がかかるなら、クイックに先ずつくり、認識を走りながら合わせて行けば動きを出しつつ、骨子や憲章も一緒に作っていきます。
インセプションデッキを活用するのも良いでしょう。社外とのコラボレーションなら相手先と一緒につくります。

それになんとなく始まったプロジェクトだと何が正解か?もわからないので、走りながら探索し検証して、柔軟に変えていくことも大事です。なのでアジャイルなやり方、スクラムのやり方で時間を切って回していき、ふりかえり・むきなおりで修正していくのが良いかと思います。

プロジェクトに正しい組織・正しい人が参加する

はじめに入っていた人に「ちょっとあなたとは違うんですよね」とは言いづらいかもしれませんが、言わないと後々困るのは自分たちです。

プロジェクトに必要な人が本当に主体的に動いているのか?単に営業活動や業務委託になっていないかを見極めるために参加している人や組織がプロジェクトとして正しい人が出ているかはお互い話をしたほうがよいです。

ビジネスは本気でやらねばなりません。もし、踏み込んだ話ができず、相手から正しい人や組織が引き出せないなら多分相手は本気ではないのでしょう。
それは自分たちの会社にも言えることではありますが。

止め方を決めておく

骨子や憲章に含めてもよいかと思いますが、案外ちゃんと定義されてないため、ダラダラゾンビプロジェクトのように続いたり、いざ止めるときに揉めたり時間がかかるのは、止め方、撤退基準を決めてないところが大きいです。

「プロジェクトをはじめようとしているのに、撤退基準なんか決めるのか?」と言われそうですが、走り出して時間が経てば経つほど止められなくなります。サンクコストが大きくなると、人間の心理的には自ら止めるとは言い辛くなります。

「これはお互いのため、未来においても良い関係のままでいるために」と双方理解して、止め方、撤退基準はすり合わせておきましょう。

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