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「ジョブ型はキャリア形成にプラスの側面も」雇用との安易な直結には懸念

近年、日本企業でもジョブ型導入に向けた議論が活発化している。リモートワークの定着、働き方の多様化を踏まえると、ジョブ型は管理職にとって部下へのマネジメントがしやすいだけに受け入れやすいかもしれない。しかし、これが自律的なキャリア形成を加速するのか、日本企業もすべてがジョブ型雇用に移行するのかというと、法政大学キャリアデザイン学部教授の坂爪 洋美氏はまだまだ議論の余地があると指摘する。


インタビュー前編では、同氏にジョブ型に対する見解や管理職の実状などを聞いた。

【前編はこちらから】

■前編の目次

  • ジョブ型とは何か、その定義の理解が議論の第一歩

  • 自らジョブを選択しキャリアを作る歴史はまだ始まったばかり

  • 部下のキャリア形成支援が管理職に丸投げされている

  • 仕事の魅力がなくなった管理職、若手や女性も敬遠モード


【後編こちらから】

■後編の目次

  • 優秀な人材を繋ぎ止める努力が不可欠

  • ジョブ型の浸透が人事部のパワーダウンをもたらすことも

  • 自社に適した形でのジョブ型雇用の模索が続く

  • 女性に責任を押し付けるのは疑問

  • 自社の魅力を語る経営者、管理職の負担軽減に努める人事を期待


坂爪 洋美 氏
法政大学 キャリアデザイン学部 教授

慶應義塾大学文学部卒業。民間の人材サービス会社の勤務を経て、同大学大学院経営管理研究科博士課程単位取得退学。博士(経営学)。和光大学を経て2015年から現職。専門は人的資源管理・組織行動論。近著に『シリーズダイバーシティ経営 管理職の役割』(中央経済社、2020年、共著)、「管理職の役割の変化とその課題 ──文献レビューによる検討」(『日本労働研究雑誌』、2020年、単著)などがある。