見出し画像

『ベンチャー企業がぶつかる「10億円の壁」』Vol.9:10億円の壁にぶつかるベンチャー企業の新卒採用2024,2025

1回目から8回目を通じて、売上10億円の壁にぶつかるベンチャー企業が直面する新卒採用やジョブ型雇用などをテーマにしてきた。

今回は2024年4月入社予定と2025年4月入社予定の主に大卒、大学院修了の新卒の採用試験をテーマにする。10億円の壁にぶつかるベンチャー企業が避けて通れないのが、この新卒採用だ。

1回目と2回目で解説したように、10億円の壁に直面するベンチャー企業の弱点は組織化が十分にはできていないこと。創業メンバーと一部の課長や部長、マネージャーなどの管理職の仕事のレベルは高い。高くなければ、売上5~8億円には達しない。だが、各部署やチームで目標や意識、社員のスキルやノウハウを共有し、仕事を遂行することが難しい。そのような意味でのチームビルディングが大企業やメガベンチャー企業のようにはできていない。だからこそ、10億円の前で行き詰まる。

チームビルディングを進めるためには、社員の定着率が高いことが要件となる。そのためには中途採用だけでなく、新卒採用にも力を注ぐことが大切だ。新卒者のほうが勤務する企業の外の世界を知らないだけに、ある面で素直に会社のルールや決まり、仕事の仕方を受け入れる。このような姿勢が上司をはじめ、ほかの社員との良好な関係をつくる。楽しい職場や納得感のある仕事となり、定着率がしだいに上がる。

とはいえ、ベンチャー企業にとって新卒採用で一定の成功をおさめるのは難しい。社の知名度、社会的な信用、採用の予算や態勢、採用担当者やその上司の経験値やノウハウ、経営層(トップマネジメント)の採用への取り組みなどに問題や課題が多い。そもそも、新卒採用を本格的にしたことのない企業が大半を占める。

今回は、そのような問題を克服するためのヒントをつかむために、2024年4月入社予定と2025年4月入社予定の主に大卒、大学院修了の新卒の採用試験をテーマにしたい。

Vol.9の続きはこちらから


■もくじ

  • 最新の新卒採用

  • 採用活動の「早期化」

  • 「早期化」の採用活動のスタイル

  • 大企業とメガベンチャー企業の「論理」

  • 中小ベンチャー企業の奮闘

  • 中小ベンチャーは母集団形成のあり方を変えつつある?

  • レベルの高い中小ベンチャー企業は「スカウト型」で対応

  • 「スカウト型」の狙いは何なのか、と考え直す