見出し画像

『ベンチャー企業がぶつかる「10億円の壁」』Vol.10:10億円の壁にぶつかるベンチャー企業が誤解する採用の裏側

母集団形成がいかに大切か

新卒採用活動を行う企業、特に大企業やメガベンチャー企業のほぼすべてが母集団形成を行う。本シリーズの前回に説明した通り、母集団形成とはエントリー者の総数を増やすことを意味する。この数が増えるほどに内定を獲得する倍率が高くなり、難易度は上がる。その企業にとって優秀な人材を雇うことができる可能性が高くなる。

金融、商社、IT、テレビ、広告などは新卒採用においてここ数十年、人気がある。各業界の売上、正社員数のランキングで各業界最上位3番以内の企業は、プレエントリーが10万人を超えるケースが多い。20万人に迫る企業もある。その中から正式にエントリーする学生は1~3万人に及ぶ。この母集団から書類選考や適性検査、面接、筆記試験を行い、内定者を選ぶ。

このようなふるいにかけられ、入社する人材は比較相対的に優秀と思われる。潜在能力が高いと見られる。確かに基礎学力や業界、会社や職種への適性、人間関係処理能力や責任感、規律心、協調性、リーダーシップなどの総合力は同世代と比べると、高い場合が多い。いわゆる採用ミス、つまり、何らかの手違いで入社してしまう人も一部にいるのかもしれない。だが、それは極めて少数であり、入社する人の平均値は明らかに高いことは間違いがない。

これらは、大企業やメガベンチャー企業のここ数十年の業績で裏付けられているのではないだろうか。

Vol.10の続きはこちらか


■もくじ

  • 母集団形成がいかに大切か

  • 「密度の濃い競争の空間」をいかにつくるか

  • ギャンブルから精度の高い採用へ

  • 成長の勢いの止まった中小企業は…

  • 誤解をする本当の理由

  • 誤解を加速させてしまう人

  • 採用は会社全体で行うもの

  • 組織で行う採用を壊す人は誰か