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それって誰にとって必要なの?

前回の続き。

Lear: O, reason not the need! Our basest beggars
Are in the poorest thing superfluous.
Allow not nature more than nature needs,
Man’s life’s as cheap as beast’s. (2.4 King Lear Shakespeare)
リア王:ああ、「必要」に理屈をつけるな!底辺の乞食だって、
必要のないぼろを纏っているじゃないか。
自然が必要とするもの以上求めてしまう人間の本性を許さなければ、
人の生活は畜生並みだ。(『リア王』 シェイクスピア 拙訳)

価値あるものとは

我々の信じている価値はたいそうなものではない。ちょっとしたことに影響されて、価値あるものだと「錯覚」してしまうことが多い。

あえて錯覚という言葉を使った。だって、この世のものは綺麗であって汚いもの。美しいだけなんてことはないのだから。

それでも人間は常に何かを求めている。それは悪いことではない。

では何を求めるのか。ここに人生の醍醐味があるはずだと信じている。

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何を求めたら良いのか。自分に本当に必要なものとはなんだろうか。

閑話

これから話すことはある意味極端な例になる。と思う。
ちょうどメトロノームが一番振れている時みたいに。

古今東西、中庸・中道が良しとされてきた。ひとつに偏らず、極端でないこと。

これはメトロノームが中心で止まっている状態。

うん、静かで落ち着いていて、湖の水面のように穏やかだ。でもそれってどうなの?

メトロノームが止まっている時って使われてない時だけじゃない?

確かになにものにも動じない平常心は生きる上で重要。私自身も心がけていることではある。

でも本当にそれができるのは仏くらいなもんだろう。(もしかしたら、私が死んでホトケさんになったらできるのかもしれない)

私たちはメトロノームのように動き続けて、ひとときの真ん中に安らぎを見つけるのだと思う。

僕からしたら今の世の中は左に向かって動いている。

政治に関していえばナショナリズムが台頭してきて、右に振り始めているように感じられる。

ただ、こと文化においてはいまだにメトロノームの針は左に進んでいるままだ。

だから私は右の極を提示したい。そうやってメトロノームは動くんだから。

閑話休題


畜生とは唾棄すべき存在か

今回もシェイクスピアを引用してしまった。ネタが尽きるまで続けるかもしれない。

それにしてもシェイクスピアは訳しづらい。ま、大体でいいだろう。

不必要なものを認めなければ、畜生も同然だ。

この言説はよくわかる。私たちは必要もない服を着て、必要もない携帯電話を持って、必要もない仕事をする(これには私感が混じる)。

これらを捨てたら、ヒトと猿の区別がつかなくなってしまうかもしれない。

でも畜生ってなにが悪いのだろうか。

簡単に説明しようと思う。畜生は仏教用語で、人間以外の動物を指す。
人が死んだら輪廻転生して生まれ変わる6つの世界がある。そのうちの1つが畜生道で、地獄道・餓鬼道に並べられて三悪道とよばれる。

まあ地獄と餓鬼は空想の産物なので悪いと設定しても構わない。いわゆる仮想敵で、良く生きる為の方便だと認められる。

でも畜生も悪なのか?犬も?猫も?生まれ変わって猫になることは悪徳なのか??

仏教は好きだ。ただこの考えは認められない。

この世に存在するものそれ自体に悪はない。同時多発テロを起こしたアルカイダだってそれ自体が悪ではない。

関係の中で悪が生まれる

正直アルカイダのことは良く知らない。簡単に調べてみた。(参照:公安調査庁 ウィキペディア

驚くべきはその起源だろう。アメリカCIAと、パキスタン、サウジアラビアが協力してソ連側のアフガニスタンに対抗するために武装化させたことに始まるらしい。(真偽は定かではない)

となるとアメリカは飼い犬に手を噛まれたということになるのだろうか。

ともかく、時代の文脈と宗教的な見地からそうせざるを得なかったのだろう。「ジハード(聖戦)」と主張する点も納得できる。イスラム教徒が妨害・迫害を受けた時に武力に訴えることを指すそうだ。

CIAが対ソ連対策として武装化させなければ、争いは起きなかっただろうか。

仮にアルカイダが島国で周りと交流もせずに暮らしていたらテロは起きただろうか。

善悪は曖昧だ。

なにが良くてなにが悪いのか。

 . . . there is nothing either good or bad, but thinking makes it so.
(2.2 Hamlet Shakespeare)
良いとか悪いは存在しない。頭が勝手に作ってるんだ。
(『ハムレット』 シェイクスピア 拙訳)

(今回は引用てんこもりだ。ネタがなくなってしまうのでこのくらいにしておこう)

価値も全く同じだ。ものがそこに有る。それ以上でも以下でもないはずだ。

関係の中で価値が生まれてくる。

自分にとってなにが価値を持っているのか。


話がそれて結局終わらなかった。無念。

文字数もそこそこなのでこの辺りでおしまい。

次回はパート2として私の思う物の価値を示したい。

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