経済とは?お金?愛?
2023年 9月16日、17日
夏合宿 経済単元 @津屋崎 講師:津屋崎ブランチ 山口覚さん
はじめに
今回の講義にあたって、講師の山口覚さん、LAPプロデューサーの古賀さん、ともに現代のビジネスや経済活動に「なんか嫌だなぁ」という感情があると話されていた。
その「何か」を具体的な事例として共有し、それについて事前課題が与えられ、また2日間の合宿で同じ問いに関して何度も何度も班を変えたり視点を変えたりして、対話を通して「自分なりの意見」を見出して行った。
講師の山口覚さん
https://fukuoka-person.com/yamaguchi-01/
また当日は築百年を超える旧玉乃井旅館にて講義が行われた。講義が始まる前にまずはバケツと雑巾を持って、小学生以来の雑巾掛け掃除から始めた。畳や柱の木々の香りを感じながら風情ある素敵な建物であることを実感しました。
https://tsuyazaki-omotenashi.net/performer/tamanoihyakunensanpo/
経済価値と現実のずれ。
山口覚さんの講義が始まった。
最初の問いはこの講義が行われている旧玉乃井旅館の価値についてだった。
「この旧玉乃井旅館、いくらで売れると思う?」
街で見かけると思わず二度見してしまうような風情があり、伝統的で立派な建物。
部屋に大きくてどっしりと構えている木の良い匂いが香ってくる柱。懐かしさを感じる畳の匂い。
私は希少価値も込めて1億円くらいするのでは?と予想した。
他の人も色々な予想金額を話していた。
現実はマイナス500万円。予想もしないまさかのマイナス。
現在の家の査定方法は減価償却の査定方法で不動産鑑定士が鑑定するとこの家は-500万円の価値になるそう。また減価償却は26年目の0円になるので、26年持つように設計されている。
しかし、この古民家を再現して作るにはおよそ1~4億がかかるそうだ。
冒頭の問いで「経済的な評価と価値のずれが生じている」事をこの旧玉乃井旅館を例に教えてくださった。
・東京や大都市の人たちが地方創生コンサルをしていること。東京や大都市にお金が流れる事。
↪︎地方の人は本当に喜んでいるのか?それとも押し付けていないか?
・マクドナルドがハンバーガー業界のトップだが、本当に美味しいハンバーグを作ることと売れるハンバーグが作れることの違い。
・事業において、経済合理性においては利益を追求する為には売上をあげるか、コストを下げるの2択。人件費が経済学的にはコストになってしまうこと。
・SNSやITの発達により便利かつ効用性の高いものが得られるが、一方で好きじゃないものとかを知るチャンスを逃していること
上記のような事例やテーマを例に、また実際に山口さんが新卒で入社した建設会社の事例などをもとにさまざまな本当の価値と社会的な価値のズレを考えた。
そして1次情報と2次情報の違い、そして情報の選択・解釈におけるリテラシーの重要性を山口さんは講義を通して伝えられていました。
何が価値があるものか。そして何が価値を低くしているのか?
恋人にプレゼントをする時、何が嬉しいだろうか。
講義を通して自分なりに考えてみた。
目の前に恋人と全く関わりのない赤の他人がいたとする。
仮に予算が1万円だった時、赤の他人に1万円を渡したら、相手は自分が好きなように1万円の効用を最大化するだろう。
しかし恋人はどうだろうか。おそらく1万円を渡したら、おそらく恋人は苦笑するだろう。
いや絶対。周りにいる人はそうであって欲しい…笑
もしかしたら、予算1万円を使わなくても、渾身の手作りアルバムでも十分か
もしれない。
何が価値かというと、その人を思う気持ち、思い、そして貴重な時間をその人のために投下した事実だろう。はたまたその人との思い出や繋がり、これまで様々な出来事を共有してきた事や背景なのかもしれない。
経済とは何か?50文字以内に答えよ。
合宿の2日間、問い続けた問いはこれだった。
時間制限と文字制限のあるグループワークを通して、何とか言葉にした経済とはこれだった。
今を生きる人が過去を学び、ビジョンを追いかける為、経済活動を手段とし未来を創造する事。
経済活動、もっと言えば日々の意思決定において何が価値を損なわず、何が価値を損なうことにつながるのか意識しながら考えた。
それは真っ当な目的、ゴールを見据えること。そしてその為の手段を履き違えないことが価値を損なわず、また手段の目的化、手段と目的不一致こそが、価値を損なう事だと感じた。
手段が目的化した瞬間に目先の利益を優先し、陳腐化する。
そして真っ当な目的やゴールを定めるには今をより良くするために歴史を学ぶこと。そして広く謙虚に学ぶこと、何より未来を創造するために、より良くするために手段として経済活動を行うことが何よりも大事なのではとグループワークを通して感じた。
目的を明確に、そして手段を目的かせず、一貫した行動をとる。
歴史を学び、広く学び、そして断定せず自分とは異なる意見も歓迎する。
その上で自らの見解や意見を持つ。そして未来の為に決断し、実行する。
これが私が経済単元、合宿を通して感じたことだ。
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