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株も不動産も上がり続ける未来しか見えない

日経平均株価が3万円を突破した。東京のマンション価格も上がり続けている。

2021年1月には東京23区の中古マンション(70㎡換算)の平均価格がバブル期以来はじめて6,000万円を超えた(6,041万円)。

2020年3月にコロナの感染拡大が世界中で始まって、株価が一時的に暴落したのが懐かしい。

コロナ対策のために世界中の政府が財政出動しているし、中央銀行は金融緩和を行っている。

おかげで株も不動産価格も絶好調というのが世界共通認識だ。

日本も例外ではなく、日経平均は毎日上がり続けているし、東京の新築マンションでも1億円するものがバンバン売れている。

『これはもはやバブルだ!気をつけろ!』

最近、日経新聞を筆頭にバブルへの警鐘を鳴らす記事が増えてきた気がする。

じゃあ、僕自身がバブルかと思っているかと言うと、実はぜんぜんバブルじゃないと思っている。

というより、まだまだ株も不動産も価格は上がるという未来しか見えない。

今日は僕が資産価格が今後も上がり続けると思う理由を書いてみたい。

1980年代バブルと比較してみた

コロナで街の飲食店がどんどん潰れているのを見ると、株や不動産、そしてビットコインといった資産価格だけが上がり続けているのはバブルに見えてしまう。

でも、1980年代のバブル経済ってこんなもんじゃなかったようだ。

ちょうどバブル絶頂期の時に僕は小学校低学年だったのでまったく記憶にないのだけど、経済指標を調べてみると当時の勢いがよくわかる。

僕が調べた経済指標は次の2つ

・日本国債10年の長期金利

・消費者物価指数

まず日本国債10年の長期金利を簡単に説明する。

基本的に長期金利は景気を示す指標だと考えられている。

景気が過熱すると長期金利は上がるし、景気が悪くなると長期金利が下がる。

財務省のホームページに過去全ての長期金利のデータが掲載されているので、グラフにしてみた。

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バブル絶頂期の1990年は長期金利が8%以上あるのがわかると思う。

一方で2021年時点の長期金利を見てみると0.1%。

コロナの感染拡大を封じ込めるために日銀が大規模な金融緩和を決めた3月にはマイナス金利になった。

その当時と比べると長期金利は多少は上がっているが、たかがしれている。

バブル期の長期金利8%がいかに常軌を逸した状況だったかがよく分かると思う。

長期金利の水準を見てみると、今はバブルとは言えないと思う。

次に消費者物価指数を見てみる。

消費者物価指数というのは簡単にいうと前の年と比べて物価が上がっているか、下がっているかを表すモノサシだと思えばよい。

で、過去の消費者物価指数をグラフにしてみた。

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1974年に20%を超える異常値を出しているのは、オイルショックが起きたからだ。

中東で第四次中東戦争が起きたため、世界中で石油の供給がストップして原油価格が急上昇した。

トイレットペーパーの買い占めが起きたのはこの時。

まあ僕は生まれてないので聞いた話だけど。

で肝心のバブル期の消費者物価指数がどんなものだったかというと

1989年 2.3%
1990年 3.1%
1991年 3.3%

物価が毎年2~3%上がっていたわけだ。

まあ、消費者物価指数は全ての消費財の平均値なので、不動産に限って言えば上昇率はもっと高かったわけだけど、平均するとこんなもの。

一方で最近の消費者物価指数はどうかというと

2018年 1.0%
2019年 0.5%
2020年 0.0%

2017年あたりからアベノミクスで本格的に景気が良くなり始めて2018年には消費者物価指数が1.0%になった(つまり前の年より1%物価が上がったってこと)。

でも最近のコロナでまた物価が下がってしまい、消費者物価指数が0%に低下してしまった。

消費者物価指数の観点からみても、今はバブル状態ではないことがよくわかる。

株高や不動産価格上昇を止める理由がない

長期金利や消費者物価指数は政府や日銀がバブルを判定するための材料としているから、これらの数値が上がらないとバブルだと認められない。

つまり増税や金融緩和縮小という景気引き締め策が実行されることにはならない。

ちなみにバブル崩壊のトリガーを引いたのは不動産の総量規制といわれている。

不動産の総量規制とは当時の大蔵省が金融機関に「不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑えること」を指示したこという。

つまり不動産価格があまりにも高くなり過ぎて庶民が家を買えなくなってしまったから、銀行の不動産向け融資を絞らせたわけ。

その結果、不動産価格が暴落してバブルが崩壊したのは皆さんご存知のとおり。

今は、株や不動産価格は確かに上昇しているけど、バブル期と比べれば長期金利も消費者物価指数も低い。

一部の経済アナリストやマスコミ(日経新聞等)がバブル懸念を示しているけど、ぶっちゃけ政府と日銀は全然気にしてないと思う。

なぜかというと、株や不動産価格が上昇しても誰も困っていないから。

たしかに格差が広がっているのは事実だけど、だからといって具体的に困っている人が大勢いるかというとそうでもない。

もちろんコロナの影響をダイレクトに被った飲食業等の業種の人の中には生活が苦しい人もいるだろう。

ただ、政府は給付金制度や貸し出しを拡充しているから大きな社会問題にはなっていない。

特にワクチンが打たれ始めた今となっては、あと数カ月後には経済が正常に戻るのは誰の目にも明らかだ。

一方で株や不動産価格が上昇したことによる弊害はでていない。

バブルの頃は日本全国の不動産価格が上昇したため、家を買えなくなった国民の不満が政府と日銀を動かした。

でも、今、不動産価格が上がっているのは都市部のみ。

都市部から電車で1時間も離れた郊外エリアに行けば、不動産価格は上昇どころか下落している。

バブル期のように都心から電車で2時間も離れたニュータウンまで土地の価格が急上昇したのとは状況がぜんぜん違う。

たしかに都心でマンションを買いたいと思っている所得高めの子育て世代にとっては東京マンション価格高騰は困った状況だろうけど、国民全体のごく一部でしかない。

むしろ国民の大多数にとっては、不動産価格が上がって家(マンション)が買えないなんて遠い国の話なのだ。

また、株が上がっても困る人はいない。

株を持っている富裕層はもちろんウハウハだけど、株を持っていない庶民も今のところ特に困らない。

バブル期のように消費者物価が上がれば庶民の生活も苦しくなるので不満も高まってくるだろうけど、消費者物価指数は毎月下がって2021年1月はマイナス0.6%になっている。

株は上がっても、日用品の物価が上がっていないので、誰も文句をいう筋合いがないのである。

もちろん格差が広がっているという道義上の問題があることは僕も理解している。

ただ、今のところ格差が広がっても、庶民の生活が困った状態になっていないから政府も日銀も本格的に資産価格を下げるような政策は行わないと思っている。

そう考えると、バブル崩壊を煽っている一部のマスコミが間違っていることがよくわかる。

政府と日銀が資産バブルを問題視していないのだから、株や不動産価格が下がるわけがないのだ。

永久に株や不動産は上がり続けるの?

このように考えると、「じゃあ、永久に株や不動産価格は上がり続けるの?」と思うかもしれない。

まあ正直株や不動産価格の動きは誰も読めないのだけど、僕個人の勝手な見方を紹介すると、次のようになる。

『庶民の誰もが明らかに困るレベルにまで物価が上がり始めるまでは、株や不動産の価格は上がり続ける』

つまり、『これ以上物価が上がると国民の不満が高まって、次の選挙に勝てなくなる』と政治家が思うようになるまでは株高、不動産高は続くんじゃないかな。

これからワクチンが普及してコロナが収束すれば、確実に景気は上向く。

実際にアメリカの長期金利(米国債10年もの金利)は2020年3月は0.5%だったけど、今は1.3%を超えている。

ダウ平均株価も史上最高値を更新し続けている。

長期金利も株価も半年前の景気を反映している先行指標だと言われているから、景気回復は間違いないんだと思う。

だって、コロナが終わったら皆一斉にお金使うでしょ?

今まで我慢していた分、外食したり、海外旅行に出かける人が爆増する。

しかも日本国民だけじゃなく、世界中の人々が一斉に動き出す。

景気が良くならないわけがない。

そしてどんどん景気が加熱して、『これ以上物価が上がると国民の生活が苦しくなる』という状態に到達して初めて政府は増税したり、日銀が金融緩和を縮小するんだと思う。

それがいつ来るのかは誰にもわからないけど、少なくとも数カ月後にそのような状態に到達するとは思えない。

1980年代バブルの時だって、消費者物価指数が1%を超えて2年経ってからようやく金融引締めが行われた。

そう考えるとまだ政府や日銀が景気引き締め政策を行い、資産価格が下落を始めるまでにはしばらくの猶予があると思える。

そして、悲しいことだけど最終的にバブルは弾ける。

『音楽が鳴っている間は、踊り続けなければならない』

2007年にサブプライム・ローンのリスクが高まっている最中に、シティグループCEOのチャック・プリンスがフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューに答えたものだ。

バブルがいつか崩壊するのは誰もがわかっている。

でも、バブルが崩壊するまでは踊り続けるしか方法はないのだ。

悲しいけど、資本主義というのはそういうシステムになっている。

僕たちにできることは、バブルが崩壊した時に生き残れるようにレバレッジを抑えながら投資し続ける(踊り続ける)ことだろう。

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