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「人はつながっている」

久しぶりの「消えた天才」シリーズをお送りしていきます!
今回は柔道の世界から、消えた天才の紹介というより、天才を通しての人の繋がりについて紹介して参ります。

打倒!天才・古賀稔彦

バルセロナオリンピック金メダルストの古賀稔彦さんが、高校時代に負けはしなかったものの、本人にとって負けに等しい判定勝ちを勝ち取った相手、内山善康さん
それは、見るからに弱々しく、当時から圧倒的な強さを誇っていた古賀さんも、絶対勝てると思って試合に向かったそうです。しかし、得意技の一本背負いをうまくいなされ、中々一本を取れず、体制が崩れたところを攻められてピンチもありました。結果は古賀さんの判定勝ちで、結局大会は優勝しましたが、古賀さん曰く「とてもやりにくくて、強かった相手」だということでした。

しかし、その対決以降、一切内山さんの姿を見ることはありませんでした。

古賀さんを追い詰めた消えた天才は、古賀さんのことを可能な限り研究し、古賀さんに勝つために全てを賭けて臨んだそうです。しかし、それでも勝てなかったということで、柔道の道をスパッと諦め、医者の道に進みました。

新たな道に進んでも、繋がっている絆

今では、スポーツ選手を対象とした整形外科医になったのですが、難しい勉強を頑張れたのは、古賀さんが活躍する姿があったからだそうです。お世話になった柔道に少しでも恩返しがしたいと思っていたそうですが、ある日、柔道家の井上康生選手が試合で大怪我を負った時、担当したのが内山さんでした。難しい手術を成功させ、井上選手は無事復帰できたのですが、柔道を通して、まさに回り回って繋がっていきました。

本物の天才・古賀稔彦に負けたことで、柔道家の道を諦めた内山さんですが、柔道家にはなれなかったものの、医者になり、柔道家を救うことができました。柔道家になれなくても、柔道に関わることはでき、なくてはならない存在になることはできます。自分が望んだ形ではなくても、同じ場所に立つことはできるのです。

道は一つではない

内山さんの場合、古賀さんと関わったことで、自分の出来うる努力を全てした上で、柔道家を諦めることになったものの、医者として柔道に関わり、柔道家の井上康生選手を救うことができました。こうやって、人と人は繋がっていくなだなと思います。
自分が進みたい道を、どんなに努力をしても進めない時もあります。諦めないことも素晴らしいですが、方法を変えて進みたかった道を並走することは可能です。手段に拘りすぎてしまうと叶えられるものも叶えられなかったりします。柔道家の道ではなくても、柔道に関わることはでき、必要な存在になることはできます。

今回は、天才・古賀稔彦と、天才に挑んだ内山さんの繋がりについて紹介しました。「天才」と呼ばれる人の、その活躍だけでは語れない影響力を実感するエピソードでした。

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