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仲間という存在意義

今回は、週末に配信する傾向がある恒例の「消えた天才」シリーズなんですが、特定のエピソードではなく、いくつかのエピソードを見て感じたことをお送りしていきます。

例1 サッカー日本代表の槙野智章選手が勝てなかった天才

と言いつつ、いきなりエピソードを紹介します(笑)
槙野選手は、現在浦和レッズの選手で、海外挑戦もするほどの選手です。好みが分かれる選手ではありますが、彼の存在感は、日本代表には必要なのではないかと感じています。

その槙野選手が小学時代、絶対に勝てない選手がいました。それが、松本侑士さんです。誰よりも上手く、槙野選手も当時同じフォワードのポジションだったのですが、どうしても彼を止めたくてその試合はディフェンダーになったのです。それがきっかけで、槙野選手はディフェンダーとしてプロになり、日本代表にまでになりましたが、松本さんがいなければ、槙野選手がプロ選手になることも、もしかしたらなかったかもしれません。

そして、松本さんが消えてしまったのは、彼は人見知りで、プロクラブのジュニアユースに応募したところ、面接で自己表現ができず、落ちてしまったそうです。それが挫折経験となり、サッカー選手としては成功することはできませんでした。

今の松本さんは、大企業の建設会社で会社員をしているのですが、槙野選手がいなければ、頑張れなかったそうです。サッカー以外のことで、槙野選手に負けないように、ある意味ライバルとして、仲間として、頑張ったそうです。特に槙野選手のおかげだと思うことは、槙野選手がJリーグのフェアプレー賞を受賞した時の堂々としたスピーチを見て、自身の就職活動の面接の時に、槙野選手になったつもりで臨んだそうです。

決して違う土俵でも、一度は同じ夢を目指し、同じチームの仲間としても違うチームだったとしてもライバルとして戦ってきた存在は、「仲間」だと言えると思います。その仲間の存在は、お互いに人生を変えるような影響を与え合い、支え合ったりするものです。ライバルや仲間が頑張っているからこそ、負けないように自分も頑張る。それも、一つの仲間の形なのではないでしょうか。

例2 女子プロレスラー北斗晶が勝てなかった天才

続いては、元女子プロレスのカリスマ北斗晶が勝てなかった天才、坂本あけみさんのエピソードです。女子プロレスラーになり、新人王を掛けて戦った二人。体格に勝る坂本さんが勝ち新人王になりました。圧倒的な強さで、将来を期待されていた坂本さんは、ヒール(悪役)の極悪同盟に所属しており、反則技を使わなければなりません。しかし病弱な妹に勇気を与えるために女子プロレスラーになった坂本さんは心優しく、反則技を使ってでも勝とうという気持ちを持てなかった。ヒールとしてプロ意識を持てなかったと言われればそれまでですが、本人はその覚悟が持てず、早々に引退してしまいました。その後北斗晶選手は、女子プロレスを代表するヒールとなり、牽引しました。

坂本さんは引退後、介護士を育てる講師となりました。「人を倒すより、手助けする仕事の方が私には合っている」そうで、仕事に励まれているそうです。今でも、新人王のメダルを持ち歩いているそうで、「あの北斗晶に勝った」という自信が原動力になっており、今でも自分の宝だそうです。

北斗さん自身も、その話を聞いて、ますます頑張らなきゃいけないなと思ったそうです。

一緒にいるだけが仲間ではない

この二つのエピソードから感じられるのは、「仲間」とは同じ目的を持ち、同じチームにいる相手だけではないということです。人生は短くも長いもので、ずっと一緒に居続けることはまずありません。その時々において、色んな人と仲間になり、別れもあります。ただ、一時的にでも「仲間」として同じ目標に向かって共にいた時間は、確かにあり、仲間の絆は一生なのではないかと思います。

『ONE PIECE』のルフィ名言シリーズをお送りしていますが、『ONE PIECE』は、仲間について描いている面があります。ルフィにとって、同じ船に乗ることだけが「仲間の条件」ではありません。同じ船に乗らなくても、ルフィの中では「仲間」だと思っている存在がいます。例えば、「ガイモン」や「ビビ」などは、麦わらの一味に入ることはなかったですが、ルフィにとっては間違いなく仲間だと思うのです。

自分にとって、影響を受けた仲間は、自分も何かしらの影響を与えているかもしれません。そうやって、違う場所でも、違う環境でも、「仲間」がいたことは、自分を支え、自分を励ますことになると思います。それこそが、「仲間の存在意義」と言えるのではないでしょうか。


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